中東呼吸器症候群「MERS」指定感染症に 入院の強制可能
厚生労働省は28日、中東を中心に感染が広がっている中東呼吸器症候群(MERS=マーズ)について、感染症法に基づく指定感染症にする方針を決めた。近く政令を定め、国内で患者が確認された場合に患者を入院させたり、就業を制限したりするなどの強制的な措置を取れるようにする。
感染拡大防止のため、秋の臨時国会にも感染症法の改正案を提出し、MERSを危険度が2番目に高い「2類感染症」の枠組みに入れる方針。
国立感染症研究所によると、MERSは2012年に初めて確認された新型のコロナウイルス。マレーシアや米国で、中東からの帰国者が感染するなど、今年4月以降、患者が急増。今月26日までに計18カ国で635人の患者が確認され、193人が死亡した。
現在、ポリオ、結核、ジフテリア、SARS(重症急性呼吸器症候群)、H5N1型鳥インフルエンザが2類感染症。厚労省は、中国大陸を中心に広がるH7N9型鳥インフルエンザも、指定感染症から2類感染症とすることを決めた。