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■大石俊久陶展 層-vol.2- (2016年4月29日~5月8日、札幌)

2016年05月07日 01時11分11秒 | 展覧会の紹介-現代美術
 「林の中を歩いているような感覚に浸っていただければ」
と話すのは、若手陶芸家の大石俊久さん。
 ふだんは食器を作ったり、陶芸教室で講師をしていたりしますが、個展では力のみなぎるインスタレーションを展開します。
 林の中でもあり、地中でもあるかのような、ふしぎな世界です。


 今回は、昨春に次ぐ「層」の第2弾。時間や記憶の積み重ねを想起させる土の塔が、細長いギャラリー門馬アネックスの会場に7本そびえ立っています。天井から床までを貫通しているので、地下から天のはるか上まで貫いているかのようです。ほかに2本、背の低い塔も立っています。
「中をのぞきこんでもらおうと置いたんですが、あまり見てくれる人がいなくて」
と大石さんは笑っていました。  
 土は江別のれんが工場から譲ってもらった粘土のほか、ハルカヤマで掘ってきたものも含まれています。
 窯は電気やガスですが、そうとは思えないほど野生的な景色をしています。
 陶芸には窯の大きさという物理的な限界があるため、今回の塔も、いくつかの部分を焼成後に合体させています。


 酸化、還元、炭化…といろいろな焼き方をしているため、色はさまざま。奥の1点は、化粧土を施しているため、表面は白っぽいです。そこに火だすきの模様がついています。
 火だすきは備前などで用いられる技法で、わらを置いて焼成すると、その跡が表面につくのです。

 大石さんは1980年、盛岡生まれ。
 北海道芸術デザイン専門学校を卒業し、下沢敏也さんに師事しました。
 個展のほか、防風林アートプロジェクトやハルカヤマ藝術要塞、北見市留辺蘂町のFar East コンテンポラリーアートなどの大規模グループ展にも出品しています。


2016年4月29日(金)~5月8日(日)午前11時~午後7時(最終日~午後6時)

ギャラリー門馬ANNEX(札幌市中央区旭ケ丘2)

層 大石俊久陶展 (2015年4月)
防風林アートプロジェクト (2014)
大石俊久「渾然として木となる。」 ハルカヤマ藝術要塞 (2012)


・地下鉄東西線「円山公園駅」バスターミナルから、ジェイアール北海道バス「循環10 ロープウェイ線」に乗り「旭丘高校前」降車、約130メートル、徒歩2分
・「円山公園駅」バスターミナルから、ジェイアール北海道バス「円13 旭山公園線」に乗り「界川(さかいがわ)」降車、約500メートル、徒歩7分
・「円山公園駅」バスターミナルから、ジェイアール北海道バス「桑11 桑園円山線」「円11 西25丁目線」「循環11 ロープウェイ線」に乗り、「啓明ターミナル」降車、約800メートル、徒歩10分

・地下鉄南北線「中島公園」「幌平橋」から、ジェイアール北海道バス「循環13 山鼻環状線」に乗り「旭丘高校前」もしくは「南11西22」降車

※駐車場もあります。帰路は、旭丘高校前で良いバスの便がない場合、階段を下りて「南11西22」までいくと、休日の日中で1時間に5、6本のバスがきます(ただし、行き先は、円山公園駅、都心、桑園駅などバラバラ)





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