北海道美術ネット別館

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■4つの世界の物語 (7月1日まで)

2008年07月01日 01時05分42秒 | 展覧会の紹介-絵画、版画、イラスト
 
 道展の油彩部に出品している気鋭の女性4人(岸本春代、河野満美子、ミクニキョウコ、水戸麻記子)による初のグループ展。岸本さんと河野さんは会友です。
 このうち、水戸さん以外の3人は、道教大の同級生。水戸さんは先輩ですが、中国留学から帰ってのち、おなじ教室でイーゼルをならべていたそうです。

 4人はいずれも緻密に描き込むタイプの作風。こういうグループ展があってもおもしろいかも-と、ミクニさんが声をかけて実現しました。
 テーマは
「物語を読み解くように、それぞれの世界観を楽しんでもらえる展覧会」
だそうです。
 ちなみに、岸本さんは後志管内喜茂別町在住で、のこる3人は札幌に住んでいます。
 ふだんの画風とはちょっと異なる面も見られ、興味深い展覧会になっています。


               

 水戸麻記子「遊民街で会いましょう」P100
 国籍不明の浮かれた感じは水戸さんならでは。ちょっと古い歓楽街のような雰囲気が漂います。


           

 「砂」F20
 こちらはうってかわって、どことなくけだるい感じ。
 題名もなぞめいています。

 ほかに、おなじみサボテン男が登場する「サボテン」(F0)、「ミツユビナマケモノ」(F10)を出品。


 河野さんが1999年の道展で協会賞(最高賞)を得てから9年になるんですねえ。あのときは、すごい新人が現れたなあと感服したものです。
 彩度の高い色の線を集積させて、独特の画面をつくります。

           

 「もりのうみ」84.1×59.4センチ
 そのころは人物が登場する絵が多かった河野さんですが、近年は静謐(せいひつ)さ漂う風景画が多いです。

           

 「くさはま」S50、「ご近所さん」F8

 ほかに、「いえ」F20、「はな」F3、「ふゆ」F0を出品。


 岸本さんはおもに動物を題材にしており、ハイパーリアルな筆致が特徴です。以前は、にぎやかすぎるぐらいたくさんの動物を登場させていましたが、近年はだいぶ画面が整理されてきたと思います。

           

 「忘れたこと思い出せるかな」F50
 これはいかにも岸本さんらしい作品。
 ただ、このライオンの四肢はどうなっているんだろうと、ちょっとふしぎです。


                

 「July」M40
 こちらは意外な人物画。クールな感じがしました。

 ほかに「さんぽみち」F6、「出発」F4、「夏の訪問者」F0を出品。


 ほかの3人は油彩ですが、ミクニキョウコさんは岩絵の具と、パステルやアクリルを併用しています。

                

 「タイムマシンの入口」M60(キャンバス、岩絵の具、油絵の具)
 3年前に横浜トリエンナーレに行った際、近くで見た風景だそうです。
 スマイルマークがいい味を出しています。

            

 こちらの小品の一部は、2年前に、ご主人の朝地信介さんとひらいた2人展(北区の喫茶手風琴)で発表した作品の、額を変えたものです。
「しずかなおはなし」F0(キャンバス、岩絵の具、油絵の具)
「ひみつののはら」11.0×15.8センチ(板、顔料、岩絵の具)
「雨あがり」13.0×8.7センチ(キャンバス、岩絵の具、アクリル)
「遠い声、遠い場所」S3(キャンバス、岩絵の具、顔料)
「夢喰い虫のみた夢」10.5×10.5センチ(板、顔料、アクリル)
「駅」13.0×8.7センチ(キャンバス、岩絵の具、パステル)
「サーカスの夜」13.0×8.7センチ(キャンバス、岩絵の具、パステル)
「名前のない場所」F10(キャンバス、岩絵の具、油絵の具)


08年6月26日(木)-7月1日(火)10:00-18:00(最終日-17:00)
大同ギャラリー(中央区北3西3、大同生命ビル3階 地図A)

□MITORAMA http://members3.jcom.home.ne.jp/mitorama/

にかわ絵展(07年、ミクニさんが出品)

水戸麻記子展 MITORAMA14(08年2月)
MITORAMA13 夜と朝(07年1月)
06年4月のミトラマ12
04年のMITORAMA 11(画像なし)
02年のMITORAMA X
02年の二人展


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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ありがとうございます☆ (ミト)
2008-07-04 17:39:15
お忙しい中、ご高覧と記事を掲載ありがとうございます。

この時期、展覧会多くありませんか?いつも同じですかね?

ワタクシも、仕事、ギャラリー廻り、仕事など・・、細切れの忙しい時期を過ごしました。
自分のグループ展の会場に在廊できたのが、一日に10分とか15分とかでした。

デキた後輩がいるので安心なんですが(笑)。

ちなみに、P100の作品はこれから「のびる」予定です。
ふふふ。

夏は (ねむいヤナイ@北海道美術ネット)
2008-07-05 10:55:16
展覧会、多いと思います。絶対多いです。
おかげで忙しいです。

といってふゆがヒマだということはぜんぜんないですねえ。
懐かしい (白神久志)
2009-07-16 21:07:31
岡山在住の白神です。

隆介教授と大学時代に「トキワ荘」状態で、暮らしておりまして・・・。

社会人になって、北海道で河野さんの絵に出会い、描いていただきました。

彼女の絵を飾る良いスペースがなかなかできず、

とうとう今夏、家を改装して、

河野作品壁を作りました。

お元気にされていますか。

私のブログで叉掲示します。
Unknown (ねむいヤナイ@北海道美術ネット)
2009-07-16 23:50:26
白神さん、はじめまして!
お越しいただき、ありがとうございます。

白神さんのblogを拝見しましたが、すごいですね。
そういうお仕事もあるのだなあと感心することしきりでした。

わたしはじつは、河野さんのことはよく存じ上げませんが、それほどの「絵との出会い」があったのはすばらしいことだと思います。

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