聴力にまつわる面白い事実 - その1 

ペットの聴力はどれぐらい優れているのか? 

犬や猫の聴力が私たち人間よりとても優れていることは、周知の事実ですね。たとえば、来客の足音をいち早く聞き取り教えてくれたり、自家用車と宅配便の車の音を聞き分けるなど、私たちが聞こえていない音も敏感にキャッチしているようです。

なぜ、犬や猫は人間よりよく聞こえているでしょうか?それは犬や猫が聞き取れる音の「周波数」の範囲が、人間と違うからです。

私たち人間が聞き取れる周波数帯は?

音の高低は周波数という数値で表されます。低い音は周波数が低く、高い音は周波数が高くなります。人間が聞くことができる音は、一般的に20Hz(ヘルツ)~20,000Hzといわれています。その中で、日常的な会話は250Hz~4,000Hzの周波数帯にあります。この部分を聞き取ることが、私たち人間にはとても大切な事ですね。

犬と猫が聞き取れる周波数帯は?

では犬や猫はどうでしょうか。犬が聞き取れる周波数はおよそ65Hz~50,000Hzで、猫は30Hz〜65,000Hzと言われています。周波数が低い、つまり低音は、人間も犬も猫もそれほど差がありませんが、高い音になると、犬や猫は、聞き取れる音の幅が人間よりも遥かに広くなります。ですから人間が気付かない音を聞くことができるのです。

例えば、犬の訓練に使われる犬笛は、30,000Hzまでの高音を出します。笛を吹いても人間には何も聞こえませんが、犬はちゃんと反応します。

音量に関しても、人が聞こえないような小さな音も聞こえていると言われています。特に犬は3,000~12,000Hzの間で聞き取り能力が高く、人間よりも5~15デシベル程度弱い、とても小さい音でも聞き取れるそうです。私たちには何も聞こえなくても、ペットたちが耳をピクピクさせている時は、小さな音を聞こうとしているのかもしれません。

また犬や猫は、耳を音のする方へ自由自在に向けることができ、かつ左右別々に動かすことも可能です。そのため、音が発生している位置を特定する「音源定位能力」も高いといわれています。犬が聞きなれない音に反応し、首を左右にかしげるかわいいしぐさを見たことがありませんか?これは耳の角度を変えることで、聞こえる音源を正確にキャッチしようとしている行動だそうです。

 犬や猫の鋭い聴覚は、小動物が発する高い鳴き声を聞き取り、獲物を素早く発見するために発達したと考えられています。その反面、掃除機やドライヤー、雷などの大きな音に対し、人間よりも強く不快感を感じるのかもしれません。

犬や猫が好きな音は?

 犬や猫は、どちらかというと高い音を好む傾向があります。

犬は「カシャカシャ」、「プー」等、高い音を出すおもちゃが好きな子が多いようです。人間の赤ちゃんと似ていますね。

また猫の場合、女性には寄ってくるのに、男性は嫌がられる、とよく聞きますが、女性の高い声の方が好まれるからのようです。

動物学者によると、犬や猫は低くて大きい声をネガティブなものとして、高くて小さい声をポジティブなものとして捉える傾向があるとのことです。その理由は、低い声は天敵となる大きな動物を連想させるから、また、高い音は獲物の鳴き声や仲間とのコミュニケーションでよく使われるからです。

加齢により聞き取れる周波数帯が変わる

ペットが高齢になるにつれて、音への反応が鈍くなることを経験したことがありませんか?病気等による場合もありますが、年をとるにつれて耳が老化して、聞こえる周波数が変化したのも一因です。

 これは人間も同じで、「年を取ると耳が遠くなる」というのも、聞き取れる周波数帯と関係しています。

人間の場合、聴力の低下は30代から始まります。一般的に高音(周波数が高い音)から聞こえづらくなり、聞こえる範囲が狭まっていきます。これは自然なことで、誰にでも起こりうることです。

上記の図の右下がりの曲線は、日本人の年齢別の平均的な聴力を表しています。例えば、60~64歳では4,000Hz前後の高い周波数で聴力低下の傾向が顕著になり、子音「S」を含む言葉の聞き間違いが多くなります。

シグニア補聴器のホームページには、あなたがどの周波数の音を聞くことができるのか、簡易的にチェックするツールがあります。自分の聞こえ年齢を確認してみましょう。

モスキート音で聞こえる周波数をチェック

加齢によって聞こえる周波数帯が狭くなり、日常生活に支障が出るようになった場合、補聴器で聞こえを補うことができます。聞こえにくくなったなと思われている方は、まず聴力を測定して補聴器を試してみてはいかがでしょうか。

また、補聴器は一般的には4,000Hzまでの日常会話が問題なく聞こえることを目標にしていますが、シグニア最高性能の7クラスの補聴器は12,000Hzまでの音に対応しています。音楽鑑賞や楽器を趣味としている方や、音質にこだわる方は、補聴器を検討する際に、ぜひ高性能の7クラスの聞こえを体験してみてください。

トップへ