2013年もグリーンピース・ジャパンは多くの皆さまとともに重大な環境問題にとりくみ、解決のために前進することができました。


■原発ゼロ、原発メーカーの責任を追及、放射線調査

2013年9月13日、1年2か月ぶりに稼働原発ゼロの日本となりました。そして、このまま原発ゼロの年末・年始を迎えることができそうです。これは、多くの市民、NGOらが協力して、原発に反対という世論を維持することができた結果です。

2月から募集を開始した「原発にもメーカー責任を」オンライン署名には、世界中から11万3996筆ものご賛同をいただきました。これにより、原発メーカーが原発事故の責任を負わない現状が広く知られるとともに、グリーンピースとして東電株主総会、日立株主総会において、東電福島第一原発の原子炉を設計・建設したGE、東芝、日立などの責任を問うことができました。

9~10月には福島県で放射線調査を実施。今回の調査にて、田村市では政府の除染が完了した20km圏内18,180の計測地点のうち39%で、政府が目標とする0.23マイクロシーベルトを上回ることが判明。調査時点では11月にも解除予定とも言われていた都路地区の避難指示は、グリーンピースの調査結果発表直後の10月14日、政府が来春以降に延期を発表しています。

 

■海の生態系をまもるために、スーパーが動きはじめる

海の生態系をまもるための取り組みにも、多くの皆さまにご協力いただきました。スーパーマーケット大手5社に対して、水産物のDNA調査・放射能調査などの科学的な調査結果をもとにはたらきかけた結果、イトーヨーカドー、イオン、西友が調達方針の転換を発表。安全な魚を食べたい、豊かな生態系と食文化をまもりたいと願う消費者とグリーンピースが協力して企業を動かしました。

 

■有害物質削減、インドネシアの熱帯林保護なども一歩前進

東南アジアにおけるアパレル業界の工場汚染が引き起こす河川汚染は深刻です。国際キャンペーンの結果、世界最大のZaraやH&Mがグリーンピースと有害化学物質の2020年までの全廃を約束しました。そして日本でも、アジア最大のメーカーでありユニクロを展開するファーストリテイリングもグリーンピースと2020年までの有害化学物質全廃を合意しました。グリーンピースは、これらのメーカーの有害物質削減の取り組みを評価・監視し続けています。

そのほかにも、インドネシアの熱帯雨林保護のための国際キャンペーンの一環として、日本の花王に働きかけ、熱帯雨林伐採にできるだけ関与しないような原料の調達方針の採用を実現。また、被災地復興予算22億円が、調査捕鯨に関わる法人の赤字補てんに不正に使われた事実を暴露し会計検査院に報告、その後、この指摘が認められ赤字補てんは復興予算の不正使用だと認められました。

このような着実な成果はすべて、グリーンピースとともに行動してくださった市民の皆さまのお力によるものです。スタッフ一同、心より感謝申し上げます。まことにありがとうございました。


■ご支援のお願い

世論を無視した特定秘密保護法の成立、原発再稼働、沖縄辺野古への米軍基地移設推進など、政府の動きはグリーンピースが目指す「緑豊かで平和な社会」とは逆の方向で加速しつつあります。2014年は、環境保護、平和を願う市民にとってより一層「行動する年」になるでしょう。だからこそ、企業や政府から支援を受けず、市民の立場で独立した活動のできるグリーンピースの役割がさらに重要になると確信しています。

世界に280万人いるグリーンピースのサポーター(寄付者)も、国内ではまだ約5千人です。来年は、農薬、遺伝子組み換え、TPPなどに脅かされる日本の農業問題にも取り組みます。活動を効果的に広げるためにも、この機会にサポーター(月々1000円から)となってグリーンピース・ジャパンの活動を継続的に支えていただけますようお願いします。


国際環境NGOグリーンピース・ジャパン

事務局長 佐藤潤一

グリーンピースのサポーター申込み・ご寄付はこちらからhttp://www.greenpeace.org/japan/ja/support/donate/