堀江貴文さん「これからは個人が強力なメディアとなる。」

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    堀江貴文さん「これからは個人が強力なメディアとなる。」

    超アクティブに活動し続ける堀江貴文さんに「いろんなことを聞きたい!」と言い出した私するぷ

    僕は尊敬する堀江さんを前に最初は緊張を隠しきれませんでしたが、1時間半に渡るインタビューを行い、堀江さんの考えをじっくり聞いてきました。

    話が1本の記事でまとまらないので3本に渡って記事をお届けしますよ!

    第1回目はタイトルの通り「これからは個人が強力なメディアとなる。」です。どうぞ。

    堀江氏が考える現在のメディア、未来のメディア事情

    するぷ:今注目しているメディアってありますか? 「これは将来世界を変える」的な。

    堀江貴文(以下堀江):まぁでも別に世界が変わるかは分かんないですけれど、例えば雑誌とかってもう時代遅れのメディアだなと思っていて。なんでかっていうと、ライフスタイルが多様化して、色んな娯楽とかソーシャルネットワークみたいなものが出てきたりすることで時間の奪い合いになってるわけじゃないですか。メディアにとっては、それこそ居酒屋とかも競合となってきているわけですよ。

    その中で雑誌って完全に斜陽のメディアで、そもそもパッケージとして、これはもう現代に合っていないと思うんですよ。(紙の雑誌を持って)まずこれ買って持ち歩くとかもうないよねと。今、電車で雑誌読んでるやつなんて1人もいないと思うんですよね。スマホを見てると思うんですよ。

    今、各メディアでは、細切れの時間の奪い合いになっています。たとえばトイレの中とか、電車で移動中とかね。そういう時間を雑誌のパッケージじゃ絶対にとりにいけないわけですよ。記事も長いし。惰性でずっと長いままだと思うんですけど、みんなの時間の細切れさからと言うと、このパッケージを1冊読むとか、もう無理なわけですよ、絶対。ひとつ1つの記事もページ単位になっているから、もう長過ぎて。僕書いてる側としても思いますよ。「長えな」って。自分で書いていて「長いな」って。

    するぷ:そういえば、最近、堀江さん新しいニュースメディアを作るって言ってましたよね。最長400文字のメディアをつくると。

    堀江:(細切れの時間を奪うには)長くて400文字くらいが妥当だろうなって。Twitterとか140字じゃないですか。140字じゃ流石に書ききれけないけれど400字なら書けるんじゃないのっていう。見る側からしてみれば400字以上は読みたくないよねと。ギズモードさんとか既存のWebメディアもそうだと思うんですけど、やっぱり長い。

    大野編集長(以下大野):長いですね。

    堀江:長いから、SmartNewsとかLINEニュースとか、vingowとかが流行ってくるわけですよ。みんなニーズは絶対そこに行っている。

    大野:僕、たまにギズモードで1行だけの記事とか書くんですけど、そういう記事の方が読まれつつあります。

    堀江:でしょ? みんなそんなに堪え性ないもん。自分も書く側として、雑誌とかの記事って1200字くらいでお願いしますって言われても、300字くらい書いて「あれ? もう書くことないや」って。「書きたいこと書いちゃった」って思って、仕方なく残りの文字を書いていることが多いんで。

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    大野:そうですね。軽い方がいいのかどうかはわかんないですけれど、簡単にすぐ読める記事に需要は確実にあります。

    堀江:意外とみんなTwitterとかLINEとかやってるから、うまく要約する能力って高まってると思うんですよね。

    大野:要約したり、要約されているものを理解する能力、リテラシーってことですか?

    堀江:僕は、読み手のリテラシーがソーシャルメディアによって上がっていると思うんですよ。リテラシーがあがっているから。雑誌は、それに対応しなくちゃいけないんだけれど、対応できていないんですよね。だから、これからは、Antennaみたいなのはありなのかなっていう…。写真と数行のコメントだけだし。

    例えば写真みて「このパウンドケーキ美味しそうだな。詳しく知りたいな。」と思ったら、タップすればその情報を詳しく読めるっていう。将来、読んだタイミングでパウンドケーキをポチっと買えるようになったらもっといいんだけど。

    この先、個人がどんどんフィーチャーされていく。

    堀江:今度僕らがやろうと思っているのに、ファッション系のECサービスもあったりしていて。例えば、Instagramとかでファッション系の人たちが自分の着こなしとかをアップロードして、「いいね!」がいっぱい付いている着こなしを買えるようになったり、この人のワンピと似たようなデザインのワンピを検索できるようになったりとかね。

    大野:より個人がフィーチャーされていくっていうことですよね。

    堀江:っていうか、ソーシャルネットワークの時代は個人がフィーチャーされていくに決まっているわけですよ。フォロワーは個人についてくるんですよ。オフィシャルアカウントとかってTwitterとかでメジャーじゃないじゃないですか。フォロワー上位って個人じゃないですか。

    アプリかなんかをインストールするときに「このTwitterのアカウントをフォローする」っていうチェックがついているのはロイヤリティーがものすごく低い、という感じですよね多分。フォロワーは個人についてくるので、その個人をどう上手く生かしていくかっていうサービスを僕らは考えていて。だから今キュレーターにすごい力を入れていて。僕らが今作っているグルメのサイトはそういうキュレーターの力を大事にしたものになっています。「テリヤキ」っていうサイトになるんですけど。まぁこういう感じでできている。

    (編集部注:グルメアプリ「テリヤキ」は11月3日にローンチ予定)

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    するぷ:料理の写真で見せるんですね…。美味しそう。

    堀江:キュレーターは20何人しかいないんですけれど、その人たちが「いいね!」を押せる形になっているっていうか、その人たちしか書けなくなっているっていう。

    するぷ:キュレーターの人たちしか評価できないってことですね。

    堀江:そうです。

    するぷ:我々はそれを見る。

    堀江:見る。そして検索する。ただし、そのキュレーターっていうのはもう本当に美味しいものしか紹介しない人を集めてます。もうビックリするようなビッグネームの人達を集めてます。フライデーの巻末のグルメページってあるじゃないですか。ああいうところに書くような人たちが一堂に会しているって感じ。

    使い方としては、例えば、昨日僕たまたま池袋にいたんですけど、池袋の近く日曜日の9時以降で行ける美味しい店が近くにないかってなったんですけど、僕は「テリヤキ」のキュレーターさんに連絡するんですけど、確実にいい店を教えてくれるんですよ。そのネットワークをバーチャル化してアプリにのっけようと。無料版も出すけれど、詳細検索は有料にしようとしていて。日曜日で、池袋で、和食で、美味い店、検索みたいな。

    するぷ:そこまでできるっていう。

    堀江:そこまでできるっていう。

    するぷ:これめっちゃ流行りそうですね。

    堀江:食べログで見ても食べログのポイントが高いからって必ずしも美味しいわけじゃないんですよね。雰囲気がよかったり、安かったりとかっていう、コスパとかが結構大事な要素だけど、まぁ、ちょっと旅行して「今日は絶対美味しいものを食べよう」と思っている人たちにとっては「多少高くても美味しいもの食いたい」って思うわけじゃないですか。

    ミシュランがあるけれど、あれは、味だけじゃなく、雰囲気とか色んな変な要素が入っていて「美味い」て言う要素から結構外れているんですよね。だから、もっと美味しいものに特化したものを作りたいと。予約できないレストランも予約できるようにとか、お取り寄せもできるようにもしようと思ってます。

    大野:自分が欲しいサービスを作っているという感じでしょうか?

    堀江:そうです。単純に自分が欲しいサービスを作ってるだけですね。なんかイチイチ訊くの悪いなぁみたいに思ったりして(笑)。(スマホに)入ってればいいじゃん最初からみたいな。

    インタビューを終えて

    これから個人がどんどんフィーチャーされていく」というのは、個人で生計を立てている僕としては心強い言葉でしたね。とはいえ、個人がフィーチャーしていくということは、これからの自分の身の振り方も考えさせられたインタビューでした。

    次回は、「情報収集しててこのガジェットすごいと思ったらすぐ試す!」(明日26日21:00公開予定)です。お楽しみに。

    (するぷ)