100年間も謎だった! ヤカンでお湯を沸かした時のピー音の仕組みが解明されました

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    100年間も謎だった! ヤカンでお湯を沸かした時のピー音の仕組みが解明されました

    僕は最近はもっぱら電気ケトルばかり使っっちゃうんですけど…。

    英ケンブリッジ大学のロス・ヘンリーウッドさんとアヌラーグ・アガルワルさんにより、100年来謎だったヤカンがピーピー鳴る仕組みを解明されました。科学専門誌「Physics of Fluids」に「The aeroacoustics of a steam kettle(蒸気ケトルの空力音響)」として掲載されています。

    2人は噴出口を通って出る蒸気の流れから、ヤカンの中でどのように音が発生するのかを研究し、ドライヤーのようにただ音を出すのでなく、ピーピーと音を立てるメカニズムを突き止めました。

    131025_kettle1.jpg

    通常ヤカンの注ぎ口部分に付いている笛は、2つの中央に穴が開いた金属プレートが重なり合って空洞を成しています。2人はそれらの金属プレートを使って、ヤカンと似たメカニズムを作って実験し、様々な空気のスピードとどのように音が鳴るかを記録していきました。

    131025_kettle2.jpg

    その結果、お湯が沸騰して蒸気が生まれ、注ぎ口の内側で空気が振動することで音が発生することがわかりました。そしてその蒸気の速さが一定のスピードを超え、1つ目のプレートの穴を通ると小さなジェットが発生します。

    その後、そのジェットに従って音波が大きくなり、2つ目のプレートの穴を通ろうとすると渦上のジェットになり、それが外に広がって出て行くことで、私たちに聞こえる高い「ピーピー」という音がすると判明しました。

    また2人は「なぜ高い音が鳴るのか?」ということを説明するためにパイプオルガンやフルートを用いました。そして注ぎ口が長い程、より低い音が出ることも分かっているようですよ。注ぎ口の長さで音を出し分けて演奏、ということも出来るのでしょうか?

    The aeroacoustics of a steam kettle(Physics of Fluids 25号2013年)via [ガジェット速報 with Technity

    image by:Andrei Kuzmik/shutterstock

    (徳永智大)