北海道美術ネット別館

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■武田響陶展-しずく- (6月15日まで)

2009年06月13日 13時32分49秒 | 展覧会の紹介-工芸、クラフト
 
 札幌はぐずついた天気が続いています。
 本来、北海道には梅雨はないはずなのに、本州以南といっしょに梅雨入りしてしまったような日々です。
 札幌の女性陶芸家、武田響さんの個展「しずく」は、水のしずくと生命を表現したインスタレーションがメーン。
 えぞつゆの、いまの季節にぴったり合った展示といえるかもしれません。
 冒頭の画像でわかるように、床の上には水面の波紋のようなかたちが並び、天井からはしずくのかたちをしたオブジェがつりさがっています。

 武田さんの陶は、いわゆる白磁ではありません。
 ご自宅の薪ストーブから出た灰を釉薬に用いています。
 焼きあがった作品はすこし灰色がかっており、土の種類や、窯の中の場所によって、微妙に緑がかっていたり、斑文が浮き出ていたり、さまざまな景色が出ているのです。

 床置きの作品は、テラスにもあります。





 武田さんの個展は、前回も、この季節で、おなじ会場でした。
 真夏になりきらないこの季節の木々の緑色が好きなのだそうです。


       

 こちらは、会場の入り口に近いほうの床の上にならんでいたオブジェ群。
 やはり、しずくのような形状をしていますが、大きさはさまざま。小さいのは、三角錐というより、丸っこいかたちをしています。
 いずれも、頭頂部には穴があいているので、一輪挿しなどとして使うことも可能です。

 ろくろではなく、成形は石膏型を使って行っています。
 「バリ」の部分も削らずに残してあるのがユニークです。

 また、窓際には、小鳥のかたちをしたオブジェなどもおいてありました。




 この会場で、唯一題がついている作品で、「becoming」と名づけられています。
 今回の個展のテーマである「生成」を表現している-といったらよいでしょうか。
 芽がふたを突き破って伸びる様子のようにも見えます。
 金属部分は、藤沢レオさんの協力を得ました。

 作者の思いがしみじみと、強く感じられる個展でした。


2009年6月9日(火)-15日(月)10:00-18:00(最終日-17:00)
GALLERY 門馬ANNEX(中央区旭ヶ丘2)




・地下鉄東西線「円山公園」から、ジェイアール北海道バス「循環10、循環11 ロープウェイ線」で「旭丘高校」降車、3分

・おなじく「円山公園」から、ジェイアール北海道バス「円11 西25丁目線」で、終点「啓明ターミナル」降車、7分

・JR札幌駅・大通西4丁目から、ジェイアール北海道バス「51 啓明線」「53 啓明線」で、終点「啓明ターミナル」降車、7分
(ほかにも、南北線の中島公園駅、幌平橋駅から啓明ターミナルや旭丘高校へ行く「山鼻循環線」があります)


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