北海道美術ネット別館

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■羽山雅愉展 1(9月13日まで)

2009年09月11日 23時58分56秒 | 展覧会の紹介-絵画、版画、イラスト
 週替わりで絵画展が行われている札幌・琴似の喫茶店「北都館」。
 所蔵品展を別にして、おそらくことしいちばんの大物の登場と思われます。
 全道展会員で、北海道現代具象展にも出品している小樽の羽山雅愉さんです。

 羽山さんは、リアルな筆致で小樽の街並みを描いていますが、じつは現実の小樽ではない。
 雨上がりらしく、黒くぬれて、周囲の建物を映し出している舗道の路面。美しく光る空や海面。無人の、車もほとんどない街角-。
 それらは、一見現実のように見えて、幻想的に輝く、「夢の中の小樽」なのです。
 

           


 喫茶店という会場の性質上、出品作はすべて小品ですが、画風やモティーフは大作とまったく変わりません。
 高い位置から見渡した、黄金色に輝く小樽港と日本海を描いた作品もあります。港の手前の小樽市はモダンな建物がびっしりとたちならび、現実の小樽とは似て非なる風景なのです。

 めずらしいと思ったのは、札幌の時計台前を題材にした絵が2点あったこと。
 そのうち「黄昏 時計台2」には、めずらしく車が1台描かれています。
 しかし、この車は、右側を先頭にしているようです。時計台の手前を走る西3丁目通は、一方通行なので、この車の向きは、現実にはあり得ません(そもそも、夕方の時計台周辺が、これほど車や人がいないということはない)。
 ここらへんも、羽山さんの絵が、現実的に見えて、じつは非現実の幻想世界を描いていることの証しではないかと思います。


 出品作は次の通り。
朝光・小樽1(F4)
雪の小樽運河(F4)
黄昏・小樽ホテルノルド(M6)
雨の小樽・ホテルノルド2(F15)
黄昏・小樽旧日本銀行(M6)
雨のホテルノルド(F8)
黄昏 時計台1(F6)
黄昏 時計台2(F6)
雨の街角(F3)
黄昏 小樽1(F4)
朝光・小樽2(M10)
黄昏・小樽工芸館(F0)
雪の小樽運河(SM)
黄昏・小樽2(M10)
黄昏・街角2(SM)
黄昏・街角1(F0)
海の音(F0)
 このほか、北海道新聞「日曜文芸」のカットの切り抜き(原画ではなく)が6枚展示されている。


2009年9月7日(月)-13日(日)10:00-22:00(最終日-17:00)
カフェ&ケーキ北都館(西区琴似1の3 地図K

・地下鉄東西線琴似駅から徒歩4分
・中央バス・ジェイアール北海道バス「西区役所」から徒歩9分

「2」として
9月17日(木)-23日(水)10:00-18:00(最終日-17:00)
不老館ギャラリー(小樽市堺町1 利尻屋みのや不老館)
でも開催します。



第39回小樽美術協会展(2007年)
具象の新世紀(2002年、画像なし)


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