全道展会員の梅津薫、川本ヤスヒロ、斉藤嗣火、田崎謙一、福島孝寿、藤井高志、渡辺貞之の7氏による絵画展。
当初は毎年開かれていましたが、現在は隔年です。
ほとんどのメンバーが大作(100号クラス)を3点と、小品数点出しています。
最初におわびしなくてはなりませんが、せっかくのメモを紛失してしまい、作品名などがわかりません。
申し訳ございません。
渡辺貞之さん「黒い羽根の天使」シリーズの1点。
モノクロームで描かれた天使は、頭のてっぺんに小さな三角錐を載せて、いろいろなしぐさをしています。
これ以外の絵では、一輪車に乗っているのもいました。
どこか、いたずら好きな子どものような天使たちは、人間社会を斜めに見ているようでもあります。
しゃれこうべを描き続ける川本ヤスヒロさん。
この作品は、ご本人に確かめたわけではありませんが、東日本大震災に触発されたものではないでしょうか。
黄色い巨大な頭骨の背後には、赤々と燃える街並みがあり、下の方には、濁った波にさらわれる家々があります。
しかし、こうして絵画になると、実際の震災のドキュメントというよりは、より普遍的な災厄、さらには生と死を、とらえているように感じられるのが、不思議なところです。
福島孝寿さん。
以前は人体を、陰影を強調した描法で画面に組み入れていたという記憶がありますが、今回は馬がモティーフ。
3点とも、最後尾は描かれていません。
しかも、左の1点は、回転木馬を思わせる棒が描かれていたり、歯車と組み合わされていたりで、実物の馬というよりも、機械じみた馬のように感じられます。
藤井高志さん。このタイトルは「トロイメライふたたび」のはずです。
これまで拝見した藤井さんの作品はいずれも写実的で、北海道の風景か、あるいは、記憶の中の風景と人物(家族など親しい人)を組み合わせたもので、この絵のように、多くのものや風景を配置し、非写実的な木馬を描き入れた絵は珍しいと思いました。
藤井さんには、1988年に「トロイメライ」という絵があり、これは同年の第32回安井賞に入選した、おそらく作者の画歴にとっても記念すべき作品と思われます。安井賞といえば、画壇の芥川賞ともいわれた、若手画家の登龍門で、本賞とまでいかずとも、入選するだけでも、本人の励みになったことでしょう(この年は374点の推薦の中から入選58点だった由=追記)。
その絵の右上にはふたりの子どもが描かれています。「トロイメライふたたび」の、右上の2人は、その25年後の成長した姿なのでしょうか。
斉藤嗣火さんは、大作2点。
どこか石化したような、古典的なたたずまいの女性像に、フクロウなどを組み合わせた、典雅な画面をつくります。
今作は、パリのノートルダム寺院あたりに取材したのでしょうか。えたいの知れない獣の石像が、女性の背後に並んでいます。ペガサスの横で長いらっぱを吹き鳴らす人物を見ると、「ヨハネの黙示録」の一節を思い出しました。
長く道教大で後進の指導にあたってきた梅津薫さん。
3点のうち2点は、奥に緑の野山の風景を、手前に女性像を配した作品。
もう1点は、上の画像の左側で、かなり色彩感覚の特異なものです。
梅津さんの風景は、一見、北海道の雄大な風景をそのまま描いたように見えて、じつは遠近法などをかなりひずませて描いています。
田崎謙一さんはこの1点のみ。
このグループ展が始まったときに、制作を開始した、クローンベビーのシリーズだと思われます。
ゆがみ、叫ぶ退治を変形キャンバスに描いた画面は、衝撃的でした。
2012年7月16日(月)~21日(土) AM10:00~PM6:00(最終日は5:00まで)
札幌時計台ギャラリー(中央区北1西2 地図A)
・深川巡回展
第1部 8月16日(木)~31日(金)
第2部 9月1日(土)~15日(土) いずれも午前10時~午後6時(月曜休館)
アートホール東洲館(JR深川駅前)
■第5回櫂展(2007)
■第4回櫂展(2006)
■グループ櫂展(2003)*
■藤井高志展(2009年)*
■渡辺貞之「存在と眼」
■渡辺貞之個展(2003)
■渡辺貞之個展(2001)
■第16回書と絵の五人展(2006)=川本さん出品
■川本ヤスヒロ展(2004)*
■川本ヤスヒロ展(2003)
*のないものは、画像なし。
当初は毎年開かれていましたが、現在は隔年です。
ほとんどのメンバーが大作(100号クラス)を3点と、小品数点出しています。
最初におわびしなくてはなりませんが、せっかくのメモを紛失してしまい、作品名などがわかりません。
申し訳ございません。
渡辺貞之さん「黒い羽根の天使」シリーズの1点。
モノクロームで描かれた天使は、頭のてっぺんに小さな三角錐を載せて、いろいろなしぐさをしています。
これ以外の絵では、一輪車に乗っているのもいました。
どこか、いたずら好きな子どものような天使たちは、人間社会を斜めに見ているようでもあります。
しゃれこうべを描き続ける川本ヤスヒロさん。
この作品は、ご本人に確かめたわけではありませんが、東日本大震災に触発されたものではないでしょうか。
黄色い巨大な頭骨の背後には、赤々と燃える街並みがあり、下の方には、濁った波にさらわれる家々があります。
しかし、こうして絵画になると、実際の震災のドキュメントというよりは、より普遍的な災厄、さらには生と死を、とらえているように感じられるのが、不思議なところです。
福島孝寿さん。
以前は人体を、陰影を強調した描法で画面に組み入れていたという記憶がありますが、今回は馬がモティーフ。
3点とも、最後尾は描かれていません。
しかも、左の1点は、回転木馬を思わせる棒が描かれていたり、歯車と組み合わされていたりで、実物の馬というよりも、機械じみた馬のように感じられます。
藤井高志さん。このタイトルは「トロイメライふたたび」のはずです。
これまで拝見した藤井さんの作品はいずれも写実的で、北海道の風景か、あるいは、記憶の中の風景と人物(家族など親しい人)を組み合わせたもので、この絵のように、多くのものや風景を配置し、非写実的な木馬を描き入れた絵は珍しいと思いました。
藤井さんには、1988年に「トロイメライ」という絵があり、これは同年の第32回安井賞に入選した、おそらく作者の画歴にとっても記念すべき作品と思われます。安井賞といえば、画壇の芥川賞ともいわれた、若手画家の登龍門で、本賞とまでいかずとも、入選するだけでも、本人の励みになったことでしょう(この年は374点の推薦の中から入選58点だった由=追記)。
その絵の右上にはふたりの子どもが描かれています。「トロイメライふたたび」の、右上の2人は、その25年後の成長した姿なのでしょうか。
斉藤嗣火さんは、大作2点。
どこか石化したような、古典的なたたずまいの女性像に、フクロウなどを組み合わせた、典雅な画面をつくります。
今作は、パリのノートルダム寺院あたりに取材したのでしょうか。えたいの知れない獣の石像が、女性の背後に並んでいます。ペガサスの横で長いらっぱを吹き鳴らす人物を見ると、「ヨハネの黙示録」の一節を思い出しました。
長く道教大で後進の指導にあたってきた梅津薫さん。
3点のうち2点は、奥に緑の野山の風景を、手前に女性像を配した作品。
もう1点は、上の画像の左側で、かなり色彩感覚の特異なものです。
梅津さんの風景は、一見、北海道の雄大な風景をそのまま描いたように見えて、じつは遠近法などをかなりひずませて描いています。
田崎謙一さんはこの1点のみ。
このグループ展が始まったときに、制作を開始した、クローンベビーのシリーズだと思われます。
ゆがみ、叫ぶ退治を変形キャンバスに描いた画面は、衝撃的でした。
2012年7月16日(月)~21日(土) AM10:00~PM6:00(最終日は5:00まで)
札幌時計台ギャラリー(中央区北1西2 地図A)
・深川巡回展
第1部 8月16日(木)~31日(金)
第2部 9月1日(土)~15日(土) いずれも午前10時~午後6時(月曜休館)
アートホール東洲館(JR深川駅前)
■第5回櫂展(2007)
■第4回櫂展(2006)
■グループ櫂展(2003)*
■藤井高志展(2009年)*
■渡辺貞之「存在と眼」
■渡辺貞之個展(2003)
■渡辺貞之個展(2001)
■第16回書と絵の五人展(2006)=川本さん出品
■川本ヤスヒロ展(2004)*
■川本ヤスヒロ展(2003)
*のないものは、画像なし。