弁護士ら5人を逮捕 愛知、犯人隠避などの疑いで
愛知県警の警察官に脅迫電話をかけたとして風俗店グループ元経営者らが逮捕された事件にからみ、県警捜査4課などは31日、脅迫に関与した疑いが持たれたグループ元役員を逃走させたとして、元検事で県弁護士会所属の弁護士、城(たち)正憲容疑者(65)ら3人を犯人隠避の疑いで逮捕した。
ほかに逮捕したのは、グループの元実質経営者、佐藤義徳被告(55)=脅迫罪などで公判中=と同元役員の山口修容疑者(38)。他人名義の携帯電話を譲り受けたなどとして、逃走したグループ元役員の青木公司容疑者(43)ら2人も携帯電話不正利用防止法違反容疑で逮捕した。
県警によると、城、佐藤両容疑者は「知りません」などと容疑を否認。青木容疑者は「話したくない」と供述している。
城弁護士の逮捕容疑は2011年6月、名古屋市内の法律事務所で山口容疑者に「次は脅迫事件が危ない。青木容疑者には逃げてもらう。自分の携帯電話は使うな」などと指示し、逃走資金として数百万円を渡すよう伝えるなどした疑い。
県警によると、山口容疑者は指示に基づき、青木容疑者に現金数百万円や他人名義の携帯電話のSIMカードを渡した。青木容疑者は12年秋までの約1年半にわたって九州や関西方面を転々としたという。
県警は、城弁護士が別の事件で逮捕されていた佐藤容疑者と接見し、同容疑者の指示をグループ幹部に伝えていたとみている。
脅迫事件で県警は今年1月、佐藤容疑者のほか、青木、山口両容疑者を逮捕したが、青木、山口両容疑者は処分保留で釈放された。佐藤容疑者は公判で脅迫罪については否認している。
佐藤容疑者の起訴状や捜査関係者によると、同容疑者は10年、県警の警察官に「絶対にお前をつぶしてやる」などと電話をかけたとされる。脅迫電話は5回に上り、警察官の娘の実名を挙げたり、捜査内容に言及したりしたという。
県警は今年3月、城弁護士が経営する法律事務所や自宅を家宅捜索していた。
城弁護士は逮捕前、日本経済新聞の取材に「(青木容疑者の)逃走を手助けするようなことは絶対にしていない」と話していた。