山口組組長に仮命令、訴訟妨害行為など禁止 愛知県警
名古屋市中村区のキャバクラで2010年に起きた放火殺人事件で、死亡した男性店員(当時27)の遺族が指定暴力団山口組の篠田建市(通称司忍)組長(71)ら5人に損害賠償請求訴訟を起こしたことで、愛知県警は21日、篠田組長に訴訟の妨害を禁止する仮命令を出した。
三重県警も同日、山口組ナンバー2の弘道会会長、高山清司被告(65)=別の恐喝事件で公判中=に仮命令を出した。
仮命令は、請求者や家族に付きまとい、脅迫する行為などを禁止。違反すれば、懲役3年以下か250万円以下の罰金、または両方が科せられる。仮命令は緊急の場合、暴力団員に意見を聴取せずに出すことができる。
男性店員の遺族は20日、実行犯の2人とともに、篠田組長や下部組織の組長ら3人にも使用者責任があるとして、5人に対して計約1億5千万円の損害賠償を求める訴訟を名古屋地裁に起こした。
事件は10年9月3日未明に発生。山口組弘道会系の元組長ら男2人が名古屋市中村区のキャバクラに押し入り、従業員ら22人がいた店にガソリンをまいて放火。系列店の男性店員が死亡し、従業員の女性2人が重軽傷を負った。
実行犯の男2人は、殺人や現住建造物等放火などの罪で無期懲役と懲役30年の有罪判決がそれぞれ確定している。