熊本地震、罹災証明発行に遅れ 申請の3割どまり
熊本地震の被災地で、住宅など建物の被害を証明する「罹災(りさい)証明書」の申請が熊本県内で計9万7741件に上る一方、発行は2万8266件(28.9%)にとどまっていることが14日分かった。証明書は被災者が国などから支援を受ける際に必要となる。国は5月中の発行を求めているが、発行する市町村の人手不足で6月にずれ込む可能性がある。
14日で地震発生から1カ月。証明書の発行の遅れは被災者の生活再建の足かせとなっている。
罹災証明書は被災者からの申請を受けて市町村が住宅被害を調査し、「全壊」や「半壊」などと判定した上で発行する。
熊本県によると、12日までに被災者から県内の30市町村に発行の申請があった。熊本市が5万7244件で最も多く、震度7を2度観測した益城町が9837件。西原村は1793件、南阿蘇村は1548件だった。
発行できたのは熊本市が1万8785件(32.8%)などで、益城町、西原村、南阿蘇村など9市町村は発行できていない。益城町は申請の9割の調査を終えたが「電話回線など町役場の設備が整っていない」という。
県の災害対策本部は「他県から派遣された応援職員を市町村に割り振って対応しているが、5月中に終了できるか分からない」としている。