伊是名の玉御殿 国重要文化財へ


この記事を書いた人 琉球新報社
重要文化財指定が決まった伊是名村の玉御殿(伊是名村教育委員会提供)

 国の文化審議会(馬淵明子会長)は19日、伊是名村伊是名元島の墓所、玉御殿(たまうどぅん)について重要文化財(建造物)に指定するよう松野博一文部科学大臣に答申した。玉御殿は琉球王家第二尚氏初代・尚円王の父・尚稷(しょく)らの墓所として1688年に整えられ、当時の墓の形式や築造技術を残していることなどから指定が決まった。近く正式に指定され、官報で告示される。重要文化財(建造物)に指定されるのは県内で23カ所目で、歴史資料なども含む国指定の国宝、重要文化財としては34件目となる。

 玉御殿は岩盤に接して造られた石造の墓室や石垣、アーチ状の門と石段から構成され、面積は373・03平方メートル。

 墓室は首里の玉陵を模しており、琉球石灰岩で造った三角型の屋根などが特徴の「破風(はふ)墓」の形式で建てられている。玉御殿は現在、村が管理している。平敷昭人県教育長は「指定は大変うれしい。村教育委員会や関係者と連携し、管理や活用に努めたい」とのコメントを発表した。