ご挨拶

はじめまして。吉本浩二と申します。

今回、伊豆大島の波浮港で運営するゲストハウス「青とサイダー」の再建及び今後の取組みについてご支援いただきたく投稿しました。最後までお読みいただけますと幸いです。


各地で猛威を振るった台風 15 号は、伊豆大島にも直撃し大きな爪痕を残しました。 「青とサイダー」も屋根が全面吹き飛ばされる等、大きな被害を受けました。現在は営業ができない状況に陥っており、一刻も早く復旧、再開を目指して動いています。


伊豆大島について

まずは私が暮らす伊豆大島についてご紹介したいと思います。

伊豆大島は東京の中心から南に約 120km 離れた洋上に浮かぶ伊豆諸島最大の島です。首都圏からもっとも近く、島の 97%が自然公園法によって規制されているため、自然の景観や生態系が十分に保護された美しい島です。そして、活火山という極めて特徴的な自然環境も有しています。また富士箱根伊豆国立公園に指定されており、国立公園の島でもあります。一方で、依然として続く人口減少、観光客の減少、そして、一次産業の衰退等、将来を考えるにあたって多くの課題を抱えている島でもあります。


思い出の駄菓子屋をリノベーション 

私は伊豆大島の南端に位置する波浮港という場所に生まれ育ちました。 高校卒業後は地元の金融機関で約2年間働いていましたが、大島をファッションの力で面白くしたい(モテたいという思いもあります)と思い、服飾デザイン関係の専門学校で勉強をするために一度島を離れます。

専門学校卒業後はそのまま本土の企業に就職し、しばらくは島を離れておりましたが、離れたことで島の良さにあらためて気づく機会が増えるとともに、高齢化や人口減少、産業の衰退といった島が抱える多くの課題を各方面より知る機会がありました。そんな中、次第に自分に何かできることはないか、と強く考えるようになり、平成25年にUターンを決意しました。

島に戻ってからは、島内企業に勤めながら、自分なりに島を盛り上げていきたい、との思いから仲間のイベントの手伝い等、様々な活動に参加してきました。

そんなある日、近所の空き物件が売りに出されていることを知ります。 そこは幼いころによく通っていた駄菓子屋さんでした。私にとって思い出の場所です。

増え続ける空き家、自分が生まれ育った波浮港が寂しい場所になっていくことに危機感を感じ、ここで動かないと何も始まらない、と思い切って購入することにしました。

島はいい意味でも悪い意味でも閉鎖的です。 もっと外に向けて発信して、いろいろな人と繋がることがしたい。 いろいろな方と出会い、交流し、ワクワクすることを共有したい。 そこから何か新しい動きが始まるかもしれないし、 もしかしたら、島の若い出身者が戻ってきたり、島外の人たちが移り住むきっかけになるような雇用を生み出せるかもしれない。 そんな想いが高まり、購入した物件をリノベーションしてゲストハウスをつくろう!と決めました。


宿のコンセプトについて

今から20年近く前のこと、東京から友人が暮らす宮城県仙台市まで自転車で移動したことがありました。仙台市は果てしなく遠く、とっても辛かったのですが、その時に飲んだサイダーが忘れられないくらい美味かったのです!

このときの気持ちは今でも強く印象に残っていて、何気ない日常の中にも心動く瞬間があって、こんな小さなことでも生きていることの素晴らしさを実感できる瞬間があることを知りました。この瞬間を大切にしたい!そんな想いを宿のコンセプトに込められないか?

私はもともと服飾デザインの専門学校に通っていたこともあり、デザインやアート関係の 仕事をしている友人が多くいます。 アートは社会で起こっている出来事に対して、アーティスト自身の感性のフィルターを通じて新たな発想や感動、そして価値を生みだします。

そして、大島町は今後自転車を観光振興における重要なアイテムとしたいと方針を打ち出しており、私としても火山島ならではの雄大な景観や美しい風景を楽しむのに自転車での移動が最適だと考えています。

この二つを組み合わせた拠点、自転車とアートの拠点をつくろう!

そして、訪れた人たちに何か心が動く瞬間を提供できたら、こんな素晴らしいことはないだろう。

と、自然な流れでコンセプトは定まっていきました。

ゲストハウスの名前は仙台で味わった思い出のサイダーと、島から眺める印象的な空と海 の青。この二つをつなげて「青とサイダー」と命名。

あとはゲストハウス開業に向けて、家族や友人の力を借りながら、DIY を基本に物件の整理、解体、改装工事を進めました。 そして、物件購入から8カ月、ゲストハウス「青とサイダー」は 2019年3月に営業をスタートしました。


宿のお客様との交流

開業してからはおかげさまで好調で、たくさんのお客様にご利用頂きました。 そして、お客様との交流を通じてワクワクすることもたくさん共有してきました。 

ゲストハウスを始めたことで、あらためて人の素晴らしさや、人の想いに触れる機会が増えて、自分自身にとって得るものも多く、何かが生まれる期待感のようなものに満ちた場所に なり、気づいたら自分にとって「青とサイダー」がかけがえのない存在(場所)になっていました。

本当に始めてよかったなと思っています。

                   

台風 15 号が砕いた希望                   

そして、9月8日の夜から未明にかけて、伊豆大島に台風15号が直撃しました。 今まで生きてきた中でも味わったことのないような強烈な台風でした。 台風通過後の朝、私の周りの風景は一変していました。波浮港地区を含む南部地域は大きな被害を受けたのです。

青とサイダーも屋根が吹き飛ばされて、すべて水浸しになってしまいました。 一夜にして、これまで築いてきたことがすべて流れてしまったのです。 営業を開始してわずか半年で営業継続が困難な状況になってしまいました。

この光景を目の当たりにしたときはしばらくただぼーぜんと立ち尽くすことしかできなかったです。しかし、周囲の方々から心配する声や励ましのメッセージを沢山いただき、少しずつ再開したいという思いがこみ上げてきました。

このまま終わるわけにはいかない。

私は波浮港を、そして伊豆大島を盛り上げるために帰ってきたんだから。 そんな想いがどんどん高まり、とにかく動こう!そんな気持ちで今もこの文章を書いています。


これからのことについて

復旧に向けて大工さんと相談したり、散在した廃材を片づけたり、自分に出来ることから動きはじめています。青とサイダーの隣の高林商店さんも同じく屋根が吹き飛ばされて、同じような被害を受けて営業ができない状況になっていました。本当に残念でならないのですが、これを機にお店をやめると、おばちゃんは話しています。 

伊豆大島は他の地域同様、事業者さんの全体的な高齢化が進んでいて、高校卒業後の進路もほとんどが大学進学か島外の企業に勤めてしまう為、後継ぎもなく事業承継がほとんど進んでいません。これからもどんどん高齢で止む無くお店をたたんでしまう事業者さんが多数いらっしゃいます。

観光 PR を打ってどんなに伊豆大島を売り込んだところで、そこにサービスを提供する人がいなければ、元も子もありません。そこで、私はおばちゃんの物件も引き受けて再建し、新たな事業を入れて復活させたいと考えています。


将来ビジョンについて

そこで私は考えました。全国的に少子高齢化による人口減少が進んでおり、特に地方は深刻な状況に陥っている地域も少なくありません。そんな中、少しずつではありますが、働き方改革や地方移住等、暮らし方の見直しや暮らしに変化を求める人が増えています。そこで、東京の“地方”である伊豆大島で、これからの働き方や暮らし、そして、人とのつながり(コミュニティ)を再考することで、新しいライフスタイルを広く紹介・提案していけるような事業を青とサイダーと高林商店さんの場所で実現したいと考えています。

主な対象となる顧客層は20代後半~40代の働き世代と地元地域住民(例えば、情報機器の扱いに慣れていない人。そういった人に操作サポート等を行うことで、自然なコミュニティのつながりをつくり、島外の方と地域住民との距離を縮めたい)。提供サービスは宿泊事業、カフェ営業、物品販売及びコワーキングスペースをベースとします。将来的には、当事業自体を空き物件を活用した実施事例としてWEBメディアを立ち上げて広く紹介していくことで、空き家物件の紹介やリノベーション、さらに伊豆大島で起業する方のサポート事業を展開していきたいと考えています。

今回の被災を通じて、自分が今後取り組むべき目標が見えてきました。 しかしながら、ハードの再建にはどうしてもお金が必要になります。

下記が再建に要する概算費用となります。                   

【青とサイダー再建費用】
屋根の修理費用 90 万
床の張替え、壁の張替え費用 40 万
布団購入費用 10 万
シーツ、タオル、その他費用 5 万
畳改修費用 15 万
エアコン取り換え費用 25 万

【高林商店さん再建費用】
屋根の修理費用 90 万
壁張替え費用 40 万
エアコン取り換え費用 15 万
陳列棚等備品、その他費用 10 万

の合計 340 万です。


私は情緒ある港町、歴史ある港町、今ある私を育ててくれた港町である波浮港を愛しています。そして、この場所をこの先も多くの人が笑顔で訪れるような街にしたい。そんな想いが今回の台風被害を通じてより大きく、強固なものとなっています。皆さま、どうかお力を貸してください。よろしくお願いいたします。

本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。

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