大洋会は、1979年に創元会から分かれて発足した絵画の団体公募展。
東京・六本木の新国立美術館が完成した後も東京都美術館に残って展覧会を開いていましたが、同館が改修工事に入るため、2年間だけ、浅草の都立施設を借りて開催することになるそうです。
北海道支部展は毎年1月に開かれています。
会場は昨年まで札幌時計台ギャラリーでしたが、今回から大同ギャラリーに移りました。
いかにも腕っこきの絵がならんでいるわけではないのですが、楽しく描いている絵が多いように感じられ、毎年見るのを楽しみにしている展覧会です。
ことしは伺うのが遅れて、最終日になってしまいました。
下のフロアは小品展で、上のフロアに100号クラスの絵をたくさん展示しています。
会場内の階段をのぼってまず目に入ったのが、原田富弥さん「春耕(羊蹄山麓)」=冒頭の画像。
実に迫力ある構図です。手前の畑から奥の羊蹄山へと、スムーズに視線が導かれていきます。
色彩的にも、渋く落ち着いた色合いの間に、ビリジャンなどを巧みに差しており、派手な色と色がぶつかり合うことの多かった(これはこれでいいのですが)原田さんのこれまでの絵とは、一線を劃していると思いました。
その隣は、室蘭のベテラン江頭洋志さん「夕張・滝ノ上公園」です。
こちらも室蘭のベテラン中畑幸雄さん「漁村」。
ハイパーリアリズムではないのですが、実に丹念におかれた筆で、ちょっと古びた漁村の風景が見事に再現されています。写真のようなリアルさとはひと味違った、存在感あるリアルさ、といったらいいのでしょうか。
赤羽八重子さん「戸隠連峰朝陽」。
白い枯れ木と、背景の冬山が、おもしろい響きあいをみせています。
その隣は、会員優秀賞を受けた瀬川裕子さんの「燭台のあるテーブル」。
画面を人為的に再構成した室内画です。
右は森田幸江さん「窓・窓・窓」。
木造家屋が積み重なったような構造がユニーク。窓やはしごなどが、キュービックな画面を作り出しています。
左は中村香都子さん「悠久へのいざない」。
最後は、階段に展示されていた加我幸子さん「空白なる刻」。
花瓶のうしろがわにコラージュされている英字紙には、オバマ米大統領のノーベル賞受賞の見出しが読み取れます。
構図は複雑ですが、ダイヤ型に収斂しているのがわかります。
ことしは、バタバタしていてゆっくり見ることができなかったのが残念です。
2010年1月21日(木)-26日(火)10:00-6:00
大同ギャラリー(中央区北3西3 大同生命ビル3階 地図A)
□大洋会 http://www.geocities.jp/taiyokai1604/
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