北海道美術ネット別館

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■本田滋「風の街」展 北の街角をふりかえると・・・ (2月15日まで)

2009年02月14日 23時08分13秒 | 展覧会の紹介-絵画、版画、イラスト
 本田さんは札幌市内の建設会社に勤めながら絵筆を執っています。
 本格的に再開したのは7年ほど前とのことですが、非常に熱心で、この1、2年、あちこちのギャラリー喫茶で個展をひらいています。また、各地のギャラリーに足を運んでおり、筆者が最もよく展覧会場でバッタリ会う方のひとりです。

 昨年10月には、アートホール東洲館(深川市)がひらいた「第3回10号公募展」でみごと大賞を受賞されています。
 画風は、あざやかな色を、こまかいところは気にせず、大まかに配置する、いわば「無手勝流」。ほとんどが風景画です。
 本田さんのおもしろいところは、ふつうの絵画愛好者や画家であれば、まずモティーフにしないであろう平凡な住宅街やビル街なども、どしどし描くところ。また、展覧会場の近くの街並みも画題にすることがよくあります。
 今回も、「北都館」店内を描いた絵が入り口附近に飾られていました。

 10号公募展の大賞受賞作「夢広場」も「夢・ひ・ろ・ば」と改題されて展示されています。
 冒頭画像は、展示作でいちばん大きい(40号)「ユリイカの風」。
 昨年夏に惜しまれつつ幕を閉じたギャラリーユリイカの建物を、勢いある筆致で描いています。
 本田さんの感情がこもっていて、建物はなんだか、強風で前に倒れてきそうな勢いです。
 右下には「Forever」という文字がかきこまれています。
 バランスからいうと、ユリイカというよりも、1階の「米風亭」のほうが目立っているような気もしますが…。
 ただ、よく見ると、2階のユリイカの室内には絵が陳列されています。
 本田さんの心の中にはギャラリーユリイカが永遠に生き続けているということなのかもしれません。 


           

 手前は「裁きの庭」(F3)。
 札幌市資料館(旧札幌高裁)の庭の囲いと色づいた木々が描かれ、風情があります。

 技術的に高い絵、写実的な絵も良いですが、本田さんのような絵も見ていると元気づけられます。
 なんだか、ほんとうに好きで絵筆を執っているのだなあという、気持ちの伝わってくる絵なのです。


 そのほかの出品作は次のとおり。
「ウインドウの風」「エメラルドタウン」「峻花」「街路樹の口笛」「ぽいんせちあ」「花銀の街」「三角屋根の街」「幌都の窓」「春の予感」「希望の詩」「リバーサイドシティ」「深川湯」「ポ・エ・ム」「花のフラメンコ」「明日を見つめて」「明日を見つめて」


2009年2月9日(月)-15日(日)10:00-22:00(最終日-17:00)
カフェ&ケーキ&ギャラリー北都館(西区琴似1の3 地図K)

・地下鉄東西線琴似駅から徒歩4分
・中央バス・ジェイアール北海道バス「西区役所」から徒歩9分

上砂川・北の創造者達展07


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