なんだか気味が悪いけど…。
いまやオンラインでの効果的な広告戦略は、ビジネスの成功に欠かせない時代です。それゆえに、高確率で売上げアップにつながる広告を掲載できることほど、広告主に魅力となるサービスはありませんし、Googleをはじめとする各社が、よりターゲットを絞った広告表示を可能にする多彩なサービスを開発提供中です。
このほどFacebookは、広告主にとって大きなアピールポイントとなる「近隣エリア広告」の新機能を発表。携帯電話の位置情報サービスをオンにしているFacebookユーザーを対象に、広告のなかに現在位置からもっとも近い実店舗までのルートや詳細情報を自動表示ができるようになりました。また、その広告を見てから、実際に何人のユーザーが本当に実店舗を訪れたかをトラッキングするほか、IBMやSquareなどのPOS決済システムと連動し、どのような品物が購入されたのかまでを一目瞭然にする「オフラインコンバージョンAPI」の提供を開始したことが明らかにされました!
デジタルおよびモバイルの世界では、パートナー企業にとって大きな障害が存在している。コンシューマーは、ますます多くの時間をモバイルやインターネット上で費やすようになってはいるが、実際の購入は、さまざまな場所で行なわれているのが現状だ。
Facebookのプロダクトマーケティング部門を率いるMaz Sharafi氏は、このようにコメントし、今回の新機能を説明。オンラインで広告をクリックし、そのままオンラインで買い物まで済ませるユーザーのみならず、広告を見てから実店舗を訪れて買い物をすることを好む大多数の人の動きを正確に把握し、より的確な広告キャンペーンを展開できると力説しています。
実店舗から半径数km以内の場所にいるユーザーのみに絞った広告を配信しつつ、その広告によって実店舗に足を運んだユーザーはどれくらいいるのか? そんなことまで当のユーザーが知らないうちにトラッキングされてしまっているとは、広告主にとっては好都合でも、なんだかFacebookユーザーには気味悪く感じられるサービスかもしれません。これまでひそかに新機能をテスト利用してきた欧米企業は、高確率でターゲットにリーチできるようになったとご満悦のようですけど。
あくまでもFacebookは、統計的なデータを広告主に提供するのみで、ユーザー個人を特定し、だれがどこへ行って何を購入したのかまでは知られないようにすると説明しています。でも、少し前に問題視された、勝手に電話の会話を収集して広告表示に役立てているという批判など、プライバシーを気にするユーザーには頭が痛い新サービスでしょうかね。
Angela Chen - Gizmodo US[原文]
(湯木進悟)