Inspire 2017: デジタル変革を推進するパートナー様向けの新しいクラウド サービスを発表

執筆者: Julia White (Corporate Vice President)

このポストは、7 月 10 日に投稿された Inspire 2017: New cloud services for partners to enable digital transformation の翻訳です。

 

ワシントン D.C. で開催中の Microsoft Inspire には、既に 17,000 以上のパートナー様にご来場いただいています。このイベントは、パートナー様自身のビジネスの成長や、パートナー様とマイクロソフト共通のお客様を支援するための新たな方法について学習し、情報を共有できる素晴らしい機会となっています。お客様がマイクロソフトのパートナー コミュニティに期待しているのは、テクノロジの選択肢をニーズに合わせて提案し、お客様のデジタル変革を推進するクラウド ベース ソリューションを提供してくれることです。

本日のイベントでは、マイクロソフトのイノベーションに関する最新情報と、マイクロソフトのパートナーおよびお客様がグローバル リーチを広げるために活用できるいくつかの情報について発表がありました。いずれも他のクラウド ベンダーにはない、マイクロソフトならではのものです。

マイクロソフトのクラウドでパートナー様のビジネス チャンスを拡大

昨年、Azure でソリューションを構築しているパートナー様の販売やマーケティングを包括的に支援する Microsoft Azure 共同販売プログラムが開始されました。これまで業界になかったタイプのプログラムで、パートナー様を支援するマイクロソフトのすべての営業担当者に適用されます。このプログラムによる年間契約額は最初の 6 か月間で 1 億ドルに達し、新たに創出された Azure パートナー様のパイプラインの機会は 6 億ドル、パートナー様の成約数は 4,500 件に達しました。

こうした多大なメリットをパートナー様に提供できるグローバルなパブリック クラウドは、Azure だけです。マイクロソフトの営業担当者は、対象となる Azure ベースのパートナー ソリューションの販売を支援した場合に、パートナー様の年間契約額の最大 10% に相当するインセンティブを受け取ることができます。つまり、マイクロソフトの営業担当者は Azure のパートナー様が新しいビジネスを獲得することで報酬を得られ、パートナー様は世界中のマイクロソフトの営業担当者とコミュニケーションを図りながらビジネスを成長させることができます。

Azure 共同販売プログラムの効果をさらに引き出すために、マイクロソフトでは今後 12 か月間でさらに大きな投資を行うことを予定しています。また、マイクロソフト内で専門のチャネル マネージャーを用意し、彼らがパートナー様の市場開拓とパートナー様のソリューションを新規のお客様に提供するための支援を行うほか、共同販売プログラムとの統合を行う役割を担います。新しい共同販売のインセンティブとパートナー様のビジネス成長を支援するための投資を合計すると、2 億 5,000 万ドル超となります。

また、お客様の既存のビジネス アプリケーションの刷新や新規のアプリケーションの構築をより簡単にするために、ISV Cloud Embed というパートナー様向けの新しいプログラムをご用意しました。このプログラムをご利用いただくと、パートナー様は Dynamics 365、Power BI、Power Apps、Microsoft Flow を組み込み型の「コンポーネント」として最大 50% 引きでご購入いただけます。また、Azure でアプリを構築しているパートナー様は、これらのビジネス アプリケーション機能を使用して、営業支援、サービス ライン、運用バックエンドといった機能を独自のソリューションにすばやく追加することができます。このようにマイクロソフトのエンジニアリング リソースを利用することで、開発に要する時間とコストを削減することができます。また、市場開拓のサポートを受けられるほか、Microsoft AppSource を通じて 1 億人の商用アクティブ ユーザーを持つ Office 365 のコミュニティや成長を続ける Dynamic 365 ユーザーのコミュニティにアクセスすることもできます。

また、マイクロソフトは Azure Managed Applications のプレビュー (英語) を発表 しました。パートナー様は、Azure Managed Applications を通じて Azure Marketplace からマネージド ソリューションをご利用いただけます。このサービスは、インフラストラクチャやソフトウェアを Azure Marketplace から購入するための販売チャネルとして機能するだけでなく、パートナー様が Azure ユーザーにサービスを提供したりユーザーの運用をサポートしたりするための手段としても利用できます。マネージド アプリケーションを利用することで、ユーザーの皆様はアプリケーションの取得やデプロイメントのプロセスを合理化できると同時に、ソリューションの管理や運用をパートナー様にアウトソーシングできるというメリットがあります。

マイクロソフトは、Azure での開発、業界最先端の共同販売プログラム、新たな組み込み型ビジネス アプリケーション サービスといったさまざまな形でパートナー様のビジネスを支援しています。これほど包括的なアプローチを提供している企業は、マイクロソフトのほかにありません。

ハードウェア パートナー様を通じて Azure Stack の受注が可能に

Azure Stack は Azure の拡張機能で、Azure データセンターから真に一貫性のある形でハイブリッド クラウド プラットフォームを利用できるようにします。たとえば、鉱山の坑道や工場、クルーズ客船などの一般的ではない環境でもご利用いただけます。マイクロソフトは、提携している Dell EMC (英語)HPE (英語)Lenovo (英語) 各社と共に、Microsoft Azure Stack 統合システムの受注を開始 (英語) したことを発表しました。マイクロソフトは Azure Stack ソフトウェアをハードウェア パートナー様に提供し、パートナー様によって統合されたシステムに対して認定プロセスを実施します。このシステムの最初の提供は 9 月を予定しています。Saxo Bank や三井情報株式会社を始めとするお客様は、Azure Stack を戦略に統合し、クラウドとオンプレミスにまたがる最先端のアプリケーションを構築しています。

その他の発表内容

Azure SQL Data Warehouse ( 英語 ) のコンピューティング能力のスケーリング上限が 3 倍に引き上げられ、6,000 DWU から 18,000 DWU になりました。これにより、データ中心型アプリケーションのイノベーションをさらに迅速化できます。あらゆる企業でデジタル化が進み、ペタバイト規模のストレージが必要とされることが多くなってきましたが、この規模ではデータの格納とクエリが非常に大きな負荷となり、企業での AI の導入が進むについて管理が複雑化していきます。この場合、コンピューティングとストレージを分離することによってパフォーマンスを最大化でき、モバイル、IoT、AI などの最先端ソリューションに適したデータ ウェアハウスを構築できるようになります。今回の機能拡張により、パートナー様やお客様がペタバイト規模のストレージやクエリを利用できるようになります。

EU の一般データ保護規則 (GDPR) の施行に伴い、お客様には新たなコンプライアンス要件に準拠していただくことが必要になります。Microsoft トラスト センター (英語) では既にこれに関連するリソースを提供していますが、加えて、今回新たに 2 つの GDPR 評価ツールを追加しました。このインタラクティブな GDPR 評価ツール (英語) はあらゆる民間企業や組織にご利用いただけるもので、現在の状態が GDPR に適合しているかを評価することができます。また、マイクロソフトの大規模なパートナー ネットワークでは、詳細な評価ツールもリリースされます。このツールでは、GDPR への準拠を支援するマイクロソフト製品に関する適切なガイドや詳細な推奨事項が提示されます。GDPR でのビジネス チャンスに関する詳細については、こちらのマイクロソフト パートナー ネットワーク ブログ (英語) をご覧ください。

Inspire での発表の詳細については、Judson Althoff によるマイクロソフト公式ブログの記事 (英語) をご覧ください。企業向けの新しいサービス セットである Microsoft 365 についてもご確認いただけます。