女子大生ストーカー刺傷

「口や右足の親指にもまひ」「頭がおかしくなるくらい悔しい」 冨田さん意見陳述要旨

 東京都小金井市で昨年5月、芸能活動をしていた大学生の冨田真由さん(21)をナイフで刺したとして、殺人未遂罪などに問われた群馬県伊勢崎市の無職、岩埼(いわざき)友宏被告(28)の裁判員裁判の第4回公判が23日、開かれ、冨田さんが意見陳述を行った。要旨は次の通り。

 事件で意識を失って、病院で目が覚めたとき、すぐに何があったのか理解できました。事件後は今までよりはるかに大きい不安や恐怖を感じています。入院中、処置のはさみを見るたび、刺されるかもしれないとびくびくし、お見舞いに来る人も私を殺しに来たのではと思い、不安で気が休まりませんでした。退院後も気持ちは変わりません。

 事件の日から本当にすべて変わってしまいました。家族と過ごした時間、友人とたわいもない話をして笑っていた時間、大学で大好きな勉強をすること、大好きな音楽やお芝居をすること。大切に積み重ねてきたものや時間の全てが一瞬で奪われてしまいました。

 普通に過ごしていたはずだった毎日を返してほしい。傷のない元の体を返してほしい。傷を保護するテープを毎日張り替えるたび、事件を思い出してしまい、何でこんなことになったのかと何度も苦しくなります。

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