NAKAHARA-LAB.net

2016.9.13 06:54/ Jun

「変化はとにかく拒絶」したい「事例くれくれ君」の背後にうごめく「うちは特殊くん」と「事例ないのか君」!?

 昨日のブログ記事「事例くれくれ君」には、おかげさまで、大変多くの反響をいただきました(感謝です!)。
  
事例くれくれ君
  
「他社の事例」をいくら聞いても、さっぱり活かせない「事例くれくれ君」にご用心!?
http://www.nakahara-lab.net/blog/archive/6894
  
 Facebookでの反応がものすごく、2000件をこえる「いいね!」をいただきました。
 このブログ始まって以来のことです(笑)ありがとうございます。
  
 この現象の背後には、
  
 皆さんの周囲には「事例くれくれ君が多い」ということであったり、
  
 あるいは、
  
 油断をしていると、自分自身も「事例くれくれ」君になってしまう、ということなのかな、と思います。自戒をこめて申し上げますが、注意が必要ですね。
    
 ▼
   
 ところで、Facebookなどでいただいたコメントの中には、ブログ記事をさらに「深掘り」していただけるものもございました。
    
 本当はお名前をあげさせていただき、引用させて頂きたいのですが、ご迷惑をおかけするかもしれませんので、ここではAさん、Hさん、Mさんとさせていただきます(僕のお友達で、かつ、お三方の素晴らしい指摘をご覧になりたい方は、僕のFacebookページをご覧下さい)。
  
 お三方のご指摘は、まとめますと、こういうことなのかなと解釈させていただきました。
  
1.事例くれくれ君の背後には「うちは特殊くん」というのがいる。「うちは特殊くん」は、「自社が特別であり、他社の事例はうちにはあてはまらない」という言葉を常にはきつづける。そのことで、「自社で自分が何もやらないこと」を正当化する
  
2.事例くれくれ君の中には、事例を収集しているようでいて、自分としては「何もやりたくない、何も変わりたくない人」が一定数いる。彼らは、「何もやらない」「何も変えない」ための正当化の理由さがしを、事例にもとめる。
  
3.「事例くれくれ君=うちは特殊君」は「事例をいろいろ見たがウチには合わない」「他をいろいろみたが、うちには直接あわないので、時期尚早」という結論を得るための裏付けとして、事例を欲しがっている
  
 なるほど!
  
 また、今回の記事をご覧頂いたYさんからは、こんなコメントをいただきました(感謝!)。
  
4.事例くれくれ君の背後には、「事例ないのか」といつも事例をもとめる上司がいる。「事例ないのか君」! 
  
 面白いですね。
  
「事例ないのか君」が実は「うちは特殊君」であり、彼 / 彼女がもっとも物事を変えたくないのだとしたら、まことに厄介ですね。
  
 いろいろ愛すべきキャラクターで、やっかいな人がでてきましたね。
 「事例くれくれ君」と「うちは特殊君」と「事例ないのか君」(笑)
  
 皆さんの、ソーシャルメディアを用いた、事例くれくれ君の深掘りに深く感謝をいたしまします。本当にたくさんの反響をありがとうございました。
  
 ▼
  
 今日は、皆さんからいただいたメッセージをもとに、「事例くれくれ君」の背後にうごめく「うちは特殊君」と「事例ないのか君」をご紹介させていただきました。
  
 究極的にワンセンテンスで申し上げるならば、これら三人に共通するのは
  
 何も変えたくない
 自分は何もしたくない
 
 という「変化に対する拒絶」なのかな、と思います。
  
 自戒をこめて、「事例くれくれ君」「うちは特殊君」「事例ないのか君」にはならないようにしたいと思いますね。
   
 そして人生はつづく

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