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■泉修次 覗き穴のある箱シリーズ6 過去、現在、未来展(2012年1月9~29日)

2012年01月28日 23時45分36秒 | 展覧会の紹介-現代美術
 泉修次さんは1950年、札幌生まれ。

 これまで個展は意外と少ないが、北海道立体表現展などの大型グループ展には欠かせない作家である。 

 また、札幌のさいとうギャラリーが毎年、年末から年始にかけて開催している企画展にも例年出品している。
 こちらは、「おみくじ」をひくタイプの作品で、筆者は、神社の本物のおみくじには関心はないが、泉さんのおみくじは毎年楽しみにしていたほどである。

 泉さんは今回の個展について、次のように語っておられる。

今年3年目となる「覗き穴のある箱」シリーズは、実験的な遊びの要素を持った作品です。
これは鑑賞する為の作品ではありません。箱の穴を覗いたり、
栓を別の穴に差し替えたりして遊ぶ、形態が変化する観客参加型の作品です。
制作者側からの一方向性の提示ではなく、
作者と観客の関係を改めて見直す相方向性を意識した装置?です。


 冒頭画像のとおり、ことしは「中吉」であった。



 「穴と栓と赤い線」

 これも、観客が穴からのぞく仕組み。

 上の穴を、あかいひもがついた栓でふさいだり、あけたりすることができる。
 栓を外すと、上の穴から光が入り、のぞき穴から映像が見えるという仕掛けになっている。

 のぞいて見えたのは、人間の写真であった。




 「上部の覗き穴と栓のある箱 "見る事と見える事"」

 三つある作品を、上から見た図。
 これは、栓が差し込まれている穴とのぞく穴が同じほうにある。

 観客参加型、といえば、筆者は一原有徳さんの作品を思い出す。一原さんのは、表面が16だか25だかの正方形に分割されていて、裏に磁石のついたパネルを自由に並び替えることのできるというものだった。

 もうひとつ、泉さんの作品のおもしろさは、見る側が作品から見られている構図になっているということである。
 作品からも見られているし、作品をいじっているあいだは、鑑賞者も作品と一体化しているということができる。

 そうなってくると、作品と、作品でない部分との境界線があいまいに感じられてくるのだ。

 とても楽しい、遊び心ある展覧会なのだが、同時に、いろいろなことを考えさせられる展覧会でもあった。


2012年1月9日(月)~29日(日)会期中無休 9~6時(土、日、祝日~4時)
STV北2条ビルエントランスアート(札幌市中央区北2西2 地図A
 
□STV興発のページ
http://www.stvkohatu.co.jp/entransart/entoransartm.html

企画展「07→08」
北海道立体表現展’06
北海道立体表現展'03
02→03展
リレーション・夕張2002
(以上画像なし)



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