小塚崇彦の“考えるドライビング” 氷上からアスファルトへ舞台を移して
モータースポーツ参戦の経緯
レクチャーに熱心に耳を傾ける小塚 【写真提供:埼玉トヨペットGreen Brave】
「僕は11年間トヨタにお世話になり、トヨタ所属のフィギュアスケーターとして活動してきました。その中で豊田章男社長とお話しする機会があり、モータースポーツの楽しさや経験談、映像などを見聞きし、好奇心旺盛な僕はぜひやってみたいと思いました」
チームは埼玉県のトヨタディーラー、埼玉トヨペットが運営する埼玉トヨペットGreen Brave。同チームは今年からGAZOO Racing 86/BRZ Raceに参加するタレントやスポーツ選手を対象にしたサポートプログラム「86ワンメイクレースGreen Braveキャンプ エンターテイメント」(通称GBエンタメ)を実施しており、小塚選手がGBエンタメ第1号となる。
「Green Braveドライバーの黒岩唯一さんから話をいただき、(埼玉トヨペットの役員でありドライバーでもある)平沼貴之さんと食事している時に、モータースポーツにチャレンジしてみたらと声を掛けていただき、今回のような形になりました。ドライバーというアスリートの気持ちを共有できるのではと思っています」
マニュアル車はほぼ教習所以来
「パイロンを並べた特設コースで、マニュアル車の基本的な運転操作からブレーキングやコーナリング、クルマの挙動変化までを学んできました。マニュアル車に乗るのはほぼ教習所以来。ハンドルを切りすぎるとスピンしたり、あせって7000回転いかず6000回転でクラッチミートして遅くなったり。ちょっとの操作の違いでクルマの動きが変わるので、それを切り詰めていったのですが、1回ずつ上達していくような実感が得られました。ギアの操作が早かったり、遅かったり、なかなかうまくいかなかったのですが、操作の順番は覚えてきたので、あとはタイミングの問題です」
小塚選手は練習中、スピンを連発。モータースポーツの練習において、スピンすることは日常茶飯事だが、そのコメントがなかなか興味深い。
「スケートをやっている時も体が振られることがあるのですが、クルマのそれとは似ているようで違います。スケートは自分が中心ですが、クルマは自分が中心になって振り回されるので、自分だけではどうにもなりません。ひとつひとつの課題をクリアしながら順を追っていくのは同じなのですが、その時によって、生ものじゃないけどスピードが違う。その時その時の感覚をうまく活かしてやる必要があり、そこをクリアしていくゲーム性がおもしろいですね」