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■西村和作陶展 (10月26日で終了)

2009年10月26日 23時46分48秒 | 展覧会の紹介-工芸、クラフト
 会期の早いうちにうかがったのに、アップが遅れて申し訳ありません。

 西村なぎさんは、青海波せいがいはなど伝統の文様を生かした端正な器を作る札幌の女性陶芸家です。
 日本工芸会準会員。東日本伝統工芸展にも入選を重ねています。

 お客さんにゆっくり見ていただきたくて、絵をかいた作品を増やしました(ちょっと意訳)-と話していたとおり、写実的な絵がデザインされた器がとても多いです。

 桑文のケーキドームやボンボニエール。
 野菊文の壺。
 こぶし文の花入。
 百合文の急須や大鉢。
 水ナラ文の鉢…。
 ほかにもクジャクサボテンやハス、木蓮、野葡萄など、さまざまな植物が描かれ、上品なおもむきを漂わせています。
 色彩はこれまでよりもちょっと抑え、落ち着いた雰囲気です。

 今回、おもしろいなーと感心させられたのが、会場の壁面の使い方。
 陶芸展では、絵画展と異なり、壁の前にならべたテーブルの上が主な展示スペースとなり、壁は一輪ざしがぽつぽつと掛かっているだけという場合が多いのです。こんどの展覧会では、右側の壁に、木で組み立てた籠状の棚に花瓶などを置き、正面の壁にはおしゃれな陶板をならべ、さらに左側の壁には、ふすまの引き手を配置しています。
 建具を陶で作る-というのは、なかなかおもしろい試みです。直径7センチほどの小宇宙のなかに、市松模様や、ユリ、こぶし、スズランなどの絵が描かれています。
「おもしろそうだなーと思えばやっちゃうタイプなんです。北大路魯山人が作っていたらしいですが、たしかにあまり作ってる人はいないかも」
 それにしても、円形ならともかく、正八角形をちゃーんと作るのは、さすが西村さんだよなあ。

 


2009年10月20日(火)-26日(月)午前10:00-午後7:00(最終日-午後4:00)
札幌三越9階ギャラリー(中央区南1西3 地図B

□西村さんのサイト「穏やかな日々」 http://homepage3.nifty.com/~nagi/

西村和作陶展(2008年)
西村和作陶展(07年11月)
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