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だから母と娘はむずかしい 単行本 – 2005/8/1
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- 本の長さ354ページ
- 言語日本語
- 出版社白水社
- 発売日2005/8/1
- ISBN-104560049726
- ISBN-13978-4560049723
商品の説明
著者からのコメント
日本では<女よりも母>型が圧倒的多数を占めている。女性の社会進出がヨーロッパよりも遅れていて、自己実現を可能にするようなキャリアを持たない専業主婦(またはパートタイマー)が多いためだ。他方、一昔前に「企業戦士」と謳われた男性が長年にわたって家庭を顧みなかったのも原因だ。夜遅く帰宅する夫、家庭に残された妻、父親との接触がほとんどない子ども、という構図がこれまで成立してきた。自分の願望を娘に投影する母親、知らぬ間に<支配>される娘。日本の母=<女よりも母>型と言っても過言ではないだろう。
日本のフィクションにみられる<女よりも母>型の母親については、後出の拙論「日本の母と娘」にくわしいので、ここでは今日の日本に多々みられる<女よりも母>型の母親の弊害について考えたい。
「一卵生母娘」という言葉が流行ったのは数年前のことだ。平日の昼間に手をつないでデパートで買い物する母親(もちろん専業主婦)と娘。同じような格好なので、よく顔を見ないとどちらがどちらかわからない。実はこの現象は、すでに一九六〇年代にアメリカの精神分析学者ヘレン・ドイッチによって指摘されていた。
私の経験でいうと、数年来、パリのサンジェルマン・デ・プレでよく「一卵生母娘」をみかけるが、なによりも目を引くのは母親の生き生きとした様子、逆に押され気味な娘の影の薄さだ。明らかに<女よりも母>型の母親が娘を喰いものにしてしまっている。父親は仕事で同行できないし、もともと母娘関係から閉め出されてしまっている。母親は専業主婦で、若い頃に叶えられなかったヨーロッパ旅行の夢を、二十歳の娘の夢に重ねて実現できたので、はしゃいでいる。口実にされた娘の方は、旅行の楽しみを母親に半分横取りされたようで、友だちと来ればよかった、とどこかで思う。母親が奪っているのは実は娘の若さそのもので、娘を通じて過ぎ去った青春を謳歌している(つもりになる)。
母親とパリ観光している娘たちはまだ大学生だったが、時が経って彼女たちも結婚し、家庭を持つにいたった。ところが「一卵生母娘」の娘たちは、本当の意味で「母親離れ」できていないので、実家に戻ってきてしまう、という最近の離婚のパターンに関する記事を最近みかけた。実家の近くに新居を構えると、妻は実家に依存して入り浸り、夫が不満でも漏らそうものなら、経済的に余裕のある両親は娘とその子どもを引き取ろうとする… <女よりも母>型の母親の<支配>から娘が逃れられていないため、母親はあらたな邪魔者である娘の夫を閉め出し、母娘のカップルを維持しようとする。
母娘のカップルに閉じ込められた娘は、真の意味で<女>にも<母>にもなれないため、生命の流れは途絶えてしまう。このような不自然かつ不幸な状況を避けるには、どうするべきか? 「日本の母と娘」の結論では、娘が勇気を出して母親を振り切るべきだ、と述べた。生死を賭けた闘いが母娘の間で演じられることもある。自分の人生を生きるためには、娘はこの闘いに勝たねばならない。
もちろん、死闘を未然に防ぐことができれば、それにこしたことはない。そのためには「一卵生母娘」になるのを避ければいい。要は、母親が自分の人生を充実させ、満たされない欲望を娘に投影する必要がなくなればいい。本書の後半では母娘関係が何世代も連鎖する様子が分析されている。現代の二十代、三十代の女性の大半は<女よりも母>型の母親に育てられ、「かわいそうなお母さん」のようにはなりたくないと思っている。連鎖を断ち切り、やりがいのある仕事を持ちつつ、愛する男性と充実した関係を築くこと、これこそ今の若い女性の最大の課題だろう。本書がそんな女性たちの励みになることを願ってやまない。
出版社からのコメント
精神分析と社会学を専門とする本書の2人の女性著者は、この〈母〉と〈女〉を軸に母親のタイプを分類し、それぞれが娘とどのような関係を結んでいくのかを、童話や小説、映画など百作以上のフィクションを通して鮮やかに分析してみせる。『白雪姫』『ボヴァリー夫人』『ピアノレッスン』など、物語のなかの母娘の心理を追っていくうちに、読者は両者の間の微妙な心理メカニズムを理解し、やがては自らのケースを相対化し、自分でも不可解だった言動も驚くほど納得できるようになるはずである。
母と娘のあり方にまったく新しい展望を切り拓き、また母と娘が共に幸福に生きるためのヒントを随所に散りばめた本書は、フランスで発表されるや雑誌で特集が組まれ、テレビ番組も制作される(DVD化もされた)など反響を呼び、20万部を超えるベストセラーとなった。
訳者による著者インタビューをまとめた巻末の特別論考「日本の母と娘」では、小津安二郎の『秋日和』と太宰治の『斜陽』における母と娘の関係が分析されている。
登録情報
- 出版社 : 白水社 (2005/8/1)
- 発売日 : 2005/8/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 354ページ
- ISBN-10 : 4560049726
- ISBN-13 : 978-4560049723
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,107,263位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 3,428位家族問題
- - 21,311位社会学概論
- - 137,931位暮らし・健康・子育て (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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「これは、学者の論文?」と思ってしまう程言い回しが複雑でした。そのせいか、著者の伝えたい事がダイレクトに心に響いてこないと言う点がちょっと残念でした。
2700円という決して安くはないない本ですので、子育ての指針としてちょっと読んでみようかな?的な気持ちで購入されると「失敗した!」と思ってしまうかも知れませんので、じっくりと、学術的な面から母と娘について知って見たいと思われる方にお薦めします。
本書は「学術的な研究に裏付けされたエッセイ」(347頁の訳者あとがき)
であり、息子とではなく"母娘の関係"の説明付け(実例を映画や文芸に
なぞらえている)。著者の1人は芸術を社会学的見地から論ずるのが専門である。また、訳者夏目幸子氏ご自身が気鋭の大学教員であり、かつ妙齢の女性研究者である。先般クロワッサン(女性誌)の巻頭を飾ったが、赤いルージュ
の印象的な女性であった。
作品の索引(映画/その他の文学作品の2本立)が巻末にあり、本書を
研究材料としての論文執筆も可能であろう。
タイトルは平易であるが、内容は根性なしでは読了しかねる。2600円
プラス税という価格も主婦がちょいと購入するにはさまたげとなる。
でも、元文学少女にはよろしいか。原作の格調高さをくずさずに翻訳
されている(はず)なのはさすが。読者に迎合しようとしない
本出版はすばらしいと思う。
しかし、本書で分析されている「母と娘」の問題(例えば、母に<娘>であることを強要されるがゆえに<女>として自立できない娘:『ピアニスト』のエリカ)は、家族という善き構造の中に隠れたアイデンティティ侵害という、より一般的な問題としても捉えることができます。男性(私もそうです)が読んでも、身近でかつ興味深いテーマを扱った本と感じるのではないでしょうか。
また、翻訳と感じさせない文章の読みやすさ、随所での映画や小説の引用による分かりやすさも、本書の大きな魅力です。訳者の言葉通り、読後感はすっきり。思わず引用されたフランス映画を見たくなりました。