なかなか充実している今週の時計台ギャラリー。
A室は、札幌の新道展会員、細木博子さんの、6年ぶりの個展です。
20点ほどの作品は、すべて「時の流れのなかで」と題されています。
左は近作にはめずらしく馬が登場しています。
しばらく放置していた抽象画を、90度向きを変えたら、線が見えてきて、そこから絵を発展させていくと馬になったそうです。
「馬がないと細木さんらしくない-といわれることもあります」
筆者は、個性的な近年の作品のほうが好きですが。
昨年の新道展に出品した作品。
右下に小さく遊園地のような情景が描かれています。
つぎの2点は、ことしの新道展の出品作と、それと個展会場でならべるために描いた最新作です。
画像の大きさが異なりますが、同じサイズの作品です。
ご本人は、色が地味なので新道展の会場で目立たなくて-と謙遜されていましたが、モノトーンで、かえって目につくと思います。
「ごみが投棄されたりして、汚されていく森」
がイメージされているとのこと。ただ、そのような意味が明示されていなくても、じゅうぶんにおもしろい絵だと思います。
拡大図。
よーく見ると、小さく馬が描かれています。
葉のようなものは、ごみのようでもあり、ただの抽象のようにも見えます。
それがおもしろいのだと思います。
前回の個展もA室でしたが、細木さんに絵を指導していた同会員、阿部国利さんが予約してくれたのだそうです。
しかし、阿部さんは病いえず、個展を見ることなく亡くなりました。
「七回忌なんですよね」
と細木さんはしみじみ。
阿部さんに教わっていたころは、木馬を横向きにとらえて周囲の空間を広くとった作風で、師匠の影響が感じられましたが、その後はどんどん独自性を増しています。
2008年10月20日(月)-25日(土)10:00-18:00(最終日-17:00)
札幌時計台ギャラリー(中央区北1西3 地図A)
■2002年の個展(画像なし)