黄蝶舞う
発売日
2012年05月15日
判 型
文庫判
ISBN
978-4-569-67841-2

黄蝶舞う

著者 浅倉卓弥著 《作家》
主な著作 『四日間の奇蹟』『君の名残を(上・下)』(以上宝島社文庫)
税込価格 755円(本体価格686円)
内容 源氏三代の死にまつわる幻想譚にして著者初の時代小説。清盛らの怨霊に苦しむ頼朝を描く「されこうべ」はじめ、確かな筆致の5篇を収録。



 平清盛が保元・平治の乱を制し、源義朝を死に追いやったのは有名な史実だ。そして嫡男・頼朝が囚われながらも死を許され、伊豆に配流になったのもよく知られる。

 清盛亡き後、頼朝は平氏を滅亡させ、鎌倉幕府を開いた。史上初の武家政権。しかし、初代頼朝・二代頼家・三代実朝ら3人の源氏の将軍は、いずれも悲劇的な死を遂げている。その数奇な因果は何を物語るのか。

 本書は、代表作『君の名残りを』で、タイムスリップ青春小説として平家物語の時代を描いた著者が、源家三代の将軍と、頼朝と北条政子の娘・大姫、実朝を暗殺した頼朝の子・公暁の5つの死を、妖しくも幻想的に描く連作時代小説である。死してなお続く清盛と頼朝の葛藤と、史書も記録しない頼朝の死の謎を描いた「されこうべ」をはじめ、実朝の死への道行きに寄り添った表題作「黄蝶舞う」など5篇の幻想譚を収録。

 ミリオンセラー『四日間の奇蹟』の著者が挑んだ新境地。解説:末國善己。