ヤクルト・奥村展征内野手(23)は2013年夏、日大山形の主将として山形県勢初の4強入りを果たした。
2回戦の日大三高(西東京)戦で本塁打。1986年に甲西(滋賀)で出場して一発を放った父・伸一さんに続く親子アーチをかけた。5年前を「本塁打もそうだし、県勢の4強を新チームから目標としていたので、達成できてうれしかったです」と振り返る。それでも一番、印象に残っている思い出には「いろんな対戦相手と戦えたことですね。勝つたびに新しいチームと戦えて高校野球が終わってからも、つながりができました」と意外な答えが返ってきた。「父も甲子園に出て、今もいろいろな方と交流が続いているんです。小さい頃に自分もそれを見ていて、いいなと思っていたんです」と理由を教えてくれた。
小学生の頃は同じ左打ちの父と、バッティングセンターに通いつめた。「悩んでいるときや、打てないときに相談することもありました。今でも小さい頃に見た父の打撃は忘れられない。本当にすごかったです」と、今もはっきり思い出せる。
この夏、弟・真大(まさひろ)が龍谷大平安高で1年生ながら京都大会でベンチ入りし、甲子園出場を決めた。「ベンチに入っているなんて知らなかったので、びっくりしました。まだ1年生ですし、球拾いでもしているのかな、と。強豪高ですしうまくやっていけてるのか心配していました」と驚いた様子で話した。
オールスターブレーク中には食事に誘った。「門限があって30分しか会える時間がなかったんです。弟が店にきてすぐに食事して、『頑張れよ』くらいしか声をかけれませんでしたね。一瞬でしたよ」と笑った。兄貴のエールを受け、真大が所属する龍谷大平安高は15日の2回戦第4試合で八戸学院光星高に挑む。(横山尚杜)