老人党リアルグループ「護憲+」ブログ

現憲法の基本理念(国民主権、平和、人権)の視点で「世直し」を志す「護憲+」メンバーのメッセージ

偏向メディアはいらない

2010-01-22 15:28:51 | マスコミ報道
1月20日の朝日の社説は「暗い民主主義はいらない」と題して民主党を批判している。それに対してこちらは「偏向メディアはいらない」と題して反論しておこう。

何故なら昨年の西松建設の政治団体から小沢幹事長と自民党の複数議員への政治資金管理団体への献金についてのメディアの報道は不公正、不公平であり、特に朝日は小沢、鳩山潰し=民主党潰しと思えるような報道を今でも連日続けている。それは政権交代何日目というシリーズの記事を見れば明らかであり、21日社会面の小沢氏の政治活動を中傷誹謗し、貶める記事(シリーズ「小沢金脈」)にも表れている。そこから受ける朝日の印象は政官業+に与する勢力で、二大政党制を歓迎していないようであり、二大政党制を支持する購読者とは価値観が全く違うとの印象である。

前置きはそれぐらいにして、20日の社説のうち、価値観を異にする箇所に逐次反論してみたい。 

====1月20日朝日新聞社説<暗い民主主義はいらない>====

http://www.asahi.com/paper/editorial20100120.html
 
(略)
 有権者が初めて自ら政権交代を実現させた直後である。多くの有権者は、かつての「金権腐敗」政治はもうご免だと願い、民主党に投票したはずだ。なのにまた同じことが繰り返されるなら、何のための政権交代だったのか。政党政治そのものへの失望が、今度こそ癒やしがたく深まりかねない。
 その危険を首相以下、政府与党の面々がしっかり感じているのかどうか、はなはだ心もとない。
 典型は首相が小沢氏に語った「どうぞ戦ってください」との発言だろう。
 自民党の大島理森幹事長は、19日の代表質問で「一国の首相の発言とは信じられない。誰と『戦う』ことを念頭に置いていたのか」とただした。検察の捜査に介入するつもりなのかという、至極もっともな問いである。
 首相は「私は行政の長であり、検察の公正な捜査を信じている」と答えたが、言葉の選び方や置かれた状況への感度が鈍すぎる。
 ほかにも首をひねるような動きが相次ぐ。民主党は一昨日「捜査情報の漏洩(ろうえい)問題対策チーム」を党内に設けることを決めた。検察による報道機関に対する情報操作の有無を調べるという。原口一博総務相も昨日、一連の報道に関し、情報源を明確にすべきだとの考えを述べた。逮捕された石川知裕衆院議員と当選が同期の議員らは「石川代議士の逮捕を考える会」をつくった。
 いずれも、小沢氏の「全面対決」路線に歩調を合わせようとするもののようだ。異様な光景の広がりである。
 総選挙での圧倒的な民意の支持を、はき違えているのではないか。検察も無謬(むびゅう)ではないだろうが、政権与党も万能ではない。様々な力が互いに抑制、均衡しつつ丁寧にことを進めていくのが、まともな民主主義社会である。
 小沢氏が検察を批判する際に語った「これがまかり通るなら日本の民主主義は暗澹(あんたん)たるものになる」という言葉は、むしろいまのような状況にこそ当てはまるのではないか。
 最優先すべきなのは、国会論戦を空費させないことである。小沢氏らは国会で事実関係の説明をすべきだ。
 そのうえで予算案審議や政策論争を本格化させる。政権交代後、「国会審議の活性化」論議を先頭に立って進めたのは、小沢氏だったはずである。

====

まず、「政権交代」を導いた要因として、「金権腐敗」は勿論であるが、長期の自民党政権時代の政官業の癒着、特に杜撰な年金管理、天下り先への税金の流用が、参議院での与野党逆転で明らかになったことが大きく、また西松建設の政治献金問題でのメディアの目に余る自民党よりの偏向報道が、逆に民主党への投票になったと思う。

また「何のための政権交代か」の問い掛けであるが、自民党の政官業癒着の利権政治から国民生活第一、コンクリートから人への政治転換のための政権交代である。民主党へのゼネコンからの政治献金は、政権をとった今以降に発生した場合に糾弾すべきことである。

小沢氏への献金問題は権限のない野党時代のものであり、収支報告書への記載漏れが在るかもしれないが、本来自民党の金蔓を奪取して離党し、それが自民党への政治資金を減じ、一方それが政権交代のための政治活動の資金の一部となった事は疑いない。これは政治闘争の姿であり、流血を伴わない政治変革を期待する国民に政治への失望はない。

自民党には経団連の号令の下、大企業等から民主党の30倍(H19年、約30億円)の多額の政治献金が国民政治協会を通して流れており、その見返りに労働者派遣法等が制定され、労働者の犠牲で企業は大儲けしている。朝日はこのような社会問題をどれほど指摘したか、年越し派遣村の背景を報じたか。新聞広告主の企業側へ有利な労働法改正を批判できなかったのではないか。ここに政官業+メディアの構図を見ることが出来るのである。

http://blogs.yahoo.co.jp/voteshop/913249.html

次に、鳩山首相の「どうぞ戦ってください」発言を批判しているが、昨日鳩山首相は「小沢氏の言を信じるのが同志」だとコメントしているように、今日の政権政党民主党が在るのは、鳩山・小沢両氏が同時に自民党を離党した時に始まる。共に民主党の創業と中興の祖であり当然の発言であろう。長い物には巻かれているサラリーマン論説委員には分からない世界であろう。

検察が絶対正しいとは限らない。現に冤罪事件も多発している。巷間問題となっている小沢・鳩山両氏の政治資金問題で検察が捜査情報を小出しにメディアにリークする事は、情報操作である。検察が立件戦術にメディアを利用しているのか、メディアが乗せられているか、それともメディアが検察の片棒を担いでいるのか、検察の背中をおしているのか。いずれにしても、購読者には朝日を含めたメディアの中に検察権力を公正・公平な眼で報道する姿勢が見えないのは残念である。

さらに社説は、「首をひねるような動きが相次ぐ」と書いているが、国家公務員には守秘義務があり、一方では国民が知りたい以上の情報漏洩がメディアを通してなされているのが現状であり、国民から選ばれた政権政党を守るために「捜査情報の漏洩(ろうえい)問題対策チーム」が設けられることは不自然ではない。

また原口大臣の主張も検察のの漏洩かメディアのデッチ上げかを国民が知るためには適切な発言である。更に「石川代議士の逮捕を考える会」の設立も、医者の判断もなく検察の独断と偏見で「自殺の恐れがある」等と称して、国会開催前に国民に選ばれた議員を逮捕することが果たして正当であろうか、そのような逮捕の在り方を考える会を作ることは議員として当然であろう。

「異様な光景の広がり」と言うが、メデイアの過剰な民主党攻撃がそのような自己防御体制に民主党を追い込んだものと想像できる。鰯(いわし)の群も鰹(かつお)の群に追われれば、巨大な固まりの群を作り自らの集団を守る生物共通の防御本能であろう。朝日の購読者には民主党は選挙で合法的に革命を成したと思っている者もおり、その体制を守る動きは「異様な光景」とは思わない。むしろ検察の自民党贔屓と思われる不公正・不公平な捜査を、どの新聞・テレビも批判しないメディアの方がファッショ的に見え、「異様な光景」に写るのである。

民主党議員の検察とメディアへの対応を是正するには、メデイアが先ず公正公平な見識を持って報道する姿勢を持つことが先決である。民主党に「国民生活第一」の政治をされると、自民党の政官業の利権政治時代のように企業が直接潤うことは少なく、企業広告が減ることはあっても増える方向には向かない。だからメディアは民主党政権を潰したい、というのがメディアの本音ではないかと思えてくる。

社説は小沢幹事長の「これがまかり通るなら日本の民主主義は暗澹たるものになる」発言を批判しているが、参議院選挙前の秘書の逮捕と言い、民主党大会、今国会開催前の国会議員の逮捕と言いそのやり方は異常であり、小沢氏の言葉は当然であろう。検察の横暴な逮捕を何ら批判せずに傍観しているメディアも異常である。

最後に、この社説を始め、メディアはしきりに説明責任を追及するが、すでに3人も逮捕され捜査中であり、小沢氏も被疑者同然の報道振りである。被疑者には黙秘権があり、不利益なことは話さなくて良いことになっている(憲法38条)。又検察の事情聴取に応じる義務もない(刑事訴訟法198条)。よって何人もそれを強要することはできない。

テレビニュース等で、事件について説明を求められた際に「捜査を理由に説明を拒否している」姿をよく目にするが、これは憲法に保証された人権と黙秘権(憲法38条)によるものである。メディアも憲法で保証された人権と黙秘権の存在を冷静に判断すべきである。

「護憲+BBS」「マスコミ報道を批評する」より
厚顔の美少年

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1 コメント

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民主党のダブルスタンダード (やすだ)
2010-01-22 21:55:34
>>民主党大会、今国会開催前の国会議員の逮捕と言いそのやり方は異常であり

はあ、自民党には国会開催中に逮捕された議員はいくらでもいますが。民主党は大賛成していましたな。

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