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札幌市資料館では今週、写真展が多い

2014年03月15日 21時10分48秒 | 展覧会の紹介-写真
 タイトルの通り、今週は、札幌市資料館で三つの写真展が開かれている。
 四つの展覧会のうち、三つが写真だが、それぞれ毛色が異なる。そして、道内では最も多いタイプの、ネイチャー系がないのもめずらしい。

 ひとつは、ポンチ展
 毎年「ぽんち展」の題で開かれ、今年で10回目。なぜか、今年はカタカナになっている。
 三つのうちこの写真展だけは、4日からの2週間開催である。

 「ぽんち展」が毎年楽しみなのは、このグループは、グループとしてなにか訴えてやろうとか、すごくいい写真を撮って展示しようとか、そういう肩肘をはったところがまったくないためである。
 こんなに肩の力を抜いて純粋に写真を楽しんでいる人たちも珍しいのではないかと思う。
 少なくても、7人の展示作には、統一性はまったくない。
 福本昌史さんは、北海道の育成アイドル北乃カムイの公認コスプレイヤー shiho さんをモデルにした連作。shihoさんが日本刀をふりまわしたり、いろんなポーズをとっている。
 大友俊治、亜希子、はずみさん一家は沖縄旅行のスナップを巨大にプリントアウトして壁を埋めている。亜希子さんの、観覧車がぬれた夜の路上に反射するショットも美しいが、俊治さんの、金網の向こうの老人と子どもを写した1枚が、なぜか不穏な予感に満ち、印象に残る。
 今回、岡島貴衣さんの作品「stare」が、個人的にはいちばん印象的だった。並んだビールの空き缶や、林立するクレーンが、まがまがしい空気感を醸し出しているようだった。

 そのとなりでは、小樽商科大学写真部 三月展
 7人中5人が、モノクロフィルムを自分で焼いた作品というからたのもしい。4年生の3人は、いずれもプリントも水準に達している。
 藪星花さんは、あえて沖縄らしさを強調しない沖縄のスナップ。
 浅沼青夏さんは、学生写真にはめずらしいヌードと、マネキン人形の対比という意欲作。
 岩井峻さんは、とくにテーマはないが、気仙沼の被災地や、雪の中に伸びる一直線の道路など、寂しさに満ちたスナップが心に残った。

 大きな2室では日本リアリズム写真集団 札幌支部写真展2014
 特別招待の、福島第1原発の被災地の写真は、やはりすごい。
 支部の写真は、案に相違して「リアリズム」っぽくない作品が多かった。


いずれも午前9時~午後7時、2014年3月16日(日)まで(最終日は午後5時ないし6時で終了)
札幌市資料館(中央区大通西13)



・地下鉄東西線「西11丁目」から300メートル、徒歩4分
・市電「中央区役所前」から480メートル、徒歩6分。「西15丁目」から約420メートル、徒歩6分
・ジェイアール北海道バス、中央バス「厚生年金会館前」から280メートル、徒歩3分
・じょうてつバス「西11丁目駅」から約360メートル、徒歩5分


ぽんち展6「乗り降りポンチの逆襲」(2009)
ぽんち展5「街」 (2008年)
ぽんち展4 食べる前に、撮る! (07年)
ぽんち展3(06年)


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