2010年のソーシャルメディアマーケティング予測

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もう2010年に入ってからだいぶ経ちましたが、昨年の1月に書いた2009年のソーシャルメディアマーケティング予想の2010年版です。


1.検索の変化

各種ソーシャルメディアのデータが検索に反映されることで、検索の仕組みが大きく変わります。これによってユーザーの行動様式が大きく変わるため、それにスムーズに対応できた企業が大きく露出を増やすことになります。

行動履歴、位置情報、リアルタイム、ソーシャルグラフ、がキーワードです。


・行動履歴

検索したユーザーがソーシャルメディア内で前後にどのようなページを見ていたか、
その記事を投稿したユーザーが前後にどのような投稿をしていたかによって検索結果が
変わります。これによって情報のコンテキストが重視されるようになります。


・位置情報

どこで検索されたか、どこで情報が投稿されたかが検索結果に反映されます。今まではどこで検索されたかを元にしてユーザーにあった検索結果を見せるというのが多かったのですが、Twitterが位置情報APIを公開するなどしているため、今後はどこで投稿された情報なのかが重要になってくるでしょう。

Twitterが位置情報APIを有効に。Twitter.comサイトではまだ。


・ソーシャルグラフ

検索したユーザーが誰とつながっているかによって検索結果が変わるようになります。
また、ユーザー同士のつながりからユーザーのオーソリティーをチェックして、信頼性の高いユーザーによる投稿が検索にヒットしやすくなります。現在のSEOと同じようなリンクポピュラリティーの概念がサイトでなく人を基準にして導入されます。

GoogleのTwitterリアルタイム検索の順位はフォロワー数で決まる ? リンク数で決まるPageRankに酷似


・リアルタイム

TwitterやFacebookにポストされた情報がリアルタイムでGoogleの検索結果に反映されるようになります。Googleが通常の検索結果と同時にリアルタイムでの結果を表示させます。

時間軸だけだとスパムに完全に操作されてしまうため、ソーシャルグラフの仕組みが整ってからでないとうまくいかないかもしれません。

リアルタイム検索での時間軸以外の重みづけの方法





2.ソーシャルアプリをマーケティングに使うことが一般的に

現在は課金やSNSからのインプレッション収益を前提にしてソーシャルアプリを作っているケースがほとんどですが、アプリの増加と一般化によって、アプリだけでマネタイズするのではなく、ブランディングやマインドシェア増加のための手段として使われるようになります。一時期流行ったブログパーツなどと同じように今年中に盛り上がると思います。

参考事例
米スターバックスがFacebookアプリでアイスクリーム1個無料のキャンペーンを実施

「友達削除してハンバーガーをもらおう」キャンペーン





3.カスタマーサポート、CRMのためにソーシャルメディアが活用されるようになる


カスタマーサポートやユーザーとの継続的な連絡のためにソーシャルメディアが活用されるようになります。データの一部をウェブに公開していくことで、情報が蓄積されていき

  • 問い合わせを減らす
  • 面で検索エンジンから人を集める
  • ロイヤリティの向上

などを期待できます。


この分野ではセールスフォースが進んでいる印象ですが、セールスフォースを導入するまでは至らない規模の会社向けのツールも多数出てくると思います。

セールスフォース、TwitterやFacebookを活用したサービスを続々と発表


ツールの例
UserVoice
ユーザーの意見を集めるページを作成

Followbase
Twitterでカスタマーサポートを効率的に行うためのプラットフォームを作ろうとしているサイト






4.多くの事例で担当者のパーソナリティーや能力が成否を分けるため、属人性が高まる

現状だとプランニングできる人が少ないうえに、コミュニケーションの方法はどうしても個人の主観で判断する部分が多くなるので、属人性が高まって汎用性がない状態になると思います。個人のキャラを出したほうがいいケースのほうが多いと思うので、どうバランスを取るかはキャンペーン設計者次第です。






5.サイト間の情報のやり取りが盛んになる

Mixi、モバゲー、GreeなどでTwitterやFacebookのように、外部の情報を取りこんでアプリで表示させることができることを活かして、他サイトの情報と連動できるようになってサイト間で情報がスムーズに共有されるようになり、ユーザーは1つのプラットフォームだけで用事を済ませることが容易になります。

さらに複数のプラットフォームに同時にアプリを提供できるようになるため、開発側は今まで以上に開発に予算をさくことができるようになります。

大規模なプラットフォームを上手く活用することがキャンペーン設計上必須になるでしょう。






6.オフラインとの連携

位置ゲーやARなどによってリアルと連動させる事例が増えているみたいですが、今後ますます増えていきそうです。地名をデータベースに入れたメディアを運営している企業はデータを積極的に提供することでサイトのトラフィックを増やすことができます。


位置ゲー

コロプラまちつく!
ケータイ国盗り合戦
foursquare
Gowalla
Mytown

AR

Sekai Camera
Layar


参考事例
位置ゲー「コロプラ」、提携店舗に月1万人以上のユーザーが来訪--提携先も拡大

チラシサイト「Shufoo!」、店に近づくとケータイにチラシ情報をお知らせ






7.デバイスの多様化

iPhoneとAndroidやWindows Mobile携帯の普及によって、複数のデバイスを横断して使えるようにすることが求められる年になります。予算に制限がある場合にはターゲットがどのようなデバイスを使っているのかを調査して、どこに工数を割くのかを選ぶことになります。






8.レコメンドが行動履歴からソーシャルグラフへさらにシフト

レコメンドが行動履歴による協調フィルタリングで推薦する方法から、ユーザー同士のつながりを元にした方法に変化します。これによって影響力の大きいユーザーの購買へ与える影響はさらに強くなると思われます。





9.ソーシャルメディアポリシー、ガイドラインを策定する企業の増加

特定の担当者だけでなく、広く従業員にソーシャルメディアの利用を推奨・許可する場合には、ソーシャルメディアを使うときの考え方や注意事項を共有するための、ポリシー、ガイドラインなどの設定することが一般的になりつつあります。日本でも少しずつ広がっていくでしょう。


以下ですでに大企業で導入されているポリシーがまとめられていますので、これから作るという方は参考までにどうぞ。

Online Database of Social Media Policies






編集コメント


yteppei
iPhoneやAndroidがこれまでよりもさらに密に関わってきそうですね


毛塚
今年はmixi、gree、モバゲーなどのアプリのプラットフォームの動きと、位置情報とソーシャルグラフの連動に注目しています



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このページは、kezukaが2010年1月20日 18:34に書いたブログ記事です。

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