不倫関係が終わった8月上旬、小番被告に妻が「男性からセクハラを受けている」と相談したことで事態は急変。小番被告に男性との関係を問いつめられた妻が、「2回だけ関係を持った」と嘘をついたとしている。
これを真に受け、小番被告は報復のための準備を行い、妻へのセクハラで男性を訴えるために「台本。」との題名のシナリオも作成。男性が妻にした行為を「周到な準備で拒めないようにしてホテルに無理やり連れ込んで姦淫した卑劣な行為」などと断じ、「絶対許さねえぞ」とも書いていたという。
小番被告の犯行を立証するためとはいえ、検察が社会的地位も家庭もある男性の「不適切な交際」を表沙汰にした意図はどこにあるのか。
元東京地検特捜部副部長で弁護士の若狭勝氏は、「検察の狙いは『事件は被告人の逆恨みに過ぎなかった』ことを立証する点にある。弁護側は『被告人が被害者から妻が性交を無理強いされていると思った』ことを強く主張していくはずだ。不倫の事実を伏せれば、被害者男性に不利な印象が流布され(男性の)今後の人生に悪影響を及ぼすと判断して、あえてプライバシーを詳細に明らかにしたと思われる」と指摘し、こう続けた。
「弁護側は『妻を思うあまりの義憤に駆られた犯行』と情状酌量を求めていくだろうが、検察側の主張通り、『逆恨みによる犯行』となれば、懲役3年程度の求刑になるはずだ」
男の象徴を失った上に、自らの恥部もさらけ出すハメになった男性。火遊びの代償はあまりに大きすぎる。