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■本田滋絵画展≪北色の街≫ (2017年2月1~6日、札幌)

2017年02月06日 09時04分59秒 | 展覧会の紹介-絵画、版画、イラスト
 札幌の本田滋さんはこの数年、ものすごい勢いで絵画の制作と発表に取り組んでいます。
 会場の北都館の壁に略歴が貼ってありましたが、それによると2014年などは個展だけで12回を数え、そのほかにグループ展、2人展などに精力的に出品しているようです。団体公募展は日輝展の所属です。

 一部、ボールペン画もありますが、大半はアクリルによる風景画です。
 道内の風景画家は絶景や大自然を題材にすることが多く、それは当然のことなのですが、本田さんはもっぱら札幌の都市風景に目を向けてきました。
 何気ない街角に、興味をひかれるフォルムを見つけ、現実的ではない着彩を施して、動感のある作品に仕上げていました。

 今回の冒頭画像手前の「北色の街」で、ヤマブキ色になっている空が印象的ですが、最近は、題材を郊外に求め、色調も落ち着いてきている作品も目立つようになってきました。

 手前は「奈井江夕照」。
 空はこの画像で見るよりもオレンジがかっていたような記憶があります。そして、手前に大きく植物を配したことで、構図にダイナミズムが増して、感動的な描写になりました。
 また、札幌から50キロ以上離れ、とくに観光地でもない空知管内奈井江町を取り上げるのもめずらしいことです。

 その右側の40号は「悠久の発寒川」。
 正面奥に、頂上にテレビ局のアンテナを並べた手稲山が見えます。
 したがってこれは、地元で発寒川と呼んでいる「琴似発寒川」のことではなく、札幌市と石狩市の境界を流れるほうの発寒川のことでしょう。
 全体に彩度が以前よりも抑えめになり、ゆったりとした雰囲気が画面に漂います。




 いちばん奥の壁にかかっていたのが、40号の「石狩河口 望み唄」。
 これも、従来の本田さんの絵にくらべると、色調が淡くおだやかなのがわかります。

 河口といっても、河川敷に繁茂する草が画面の多くを占めていて、はろばろとした情感を誘います。
 左奥には、石狩灯台が望まれます。


 「瞬光の街」(F3)。
 建物の角から太陽が顔を出した瞬間をとらえた、スナップ写真のような1点です。

 ほかの作品は次のとおり。
 蒼氷の琴似川
 紙ひこうき 夢運ぶ
 郷愁の石狩川
 初雪の北大農場
 たいせつなきもち
 公園で水遊び
 風遊ぶ庭
 手稲山風清し
 白衣の赤レンガ通り
 道端の野菜屋さん
 初秋の新川ゲート
 春のおとずれ


2017年2月1日(水)~6日(月)午前10時~午後10時(土日月~午後7時、最終日展示~5時)
カフェ北都館ギャラリー(札幌市西区琴似1の3)


本田さんの関連記事へのリンク
街 Crossing 中橋修×本田滋 (2016年6月)

風の彩・本田滋絵画展《風の声を聴こう》 (2015)
風の彩~本田滋絵画展― (2015年2月)

本田滋絵画展 (2014)
風の彩・本田滋絵画展《風色の街・ハミングの歌》 (2014年1月)

本田滋「風の街」展 北の街角をふりかえると・・・ (2009)
上砂川・北の創造者達展07





・地下鉄東西線の琴似駅から約270メートル、徒歩4分
・JR琴似駅から約740メートル、徒歩10分

・ジェイアール北海道バス「山の手一条通」から約920メートル、徒歩12分(快速、都市間高速バスは通過)
・ジェイアール北海道バス、中央バス「西区役所前」から約960メートル、徒歩13分


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