山形マット死、再び賠償命令 関与否定の2人に地裁
山形県新庄市立明倫中学校で1993年、体育用マットの中で1年の児玉有平さん(当時13)が死亡した事件を巡り、民事訴訟で確定した賠償金計約5760万円の支払いに応じていない当時の生徒2人に遺族が同額の損害賠償を求めた訴訟の判決で23日、山形地裁は請求通り賠償を命じた。
訴訟で2人は事件への関与を否定したが、松下貴彦裁判長は判決理由で「2人の主張は確定判決と矛盾する」と退けた。
逮捕・補導された元生徒7人に遺族が損害賠償を求めた訴訟は2005年、全員に計約5760万円の賠償を命じた仙台高裁判決が確定。しかし時効となる昨年9月までに支払われず、3人には強制執行もできなかったとして、遺族が賠償請求権の消滅を防ぐため再び提訴した。その後、1人は給与差し押さえの手続きが確認され、取り下げた。
05年の民事訴訟の確定判決によると、7人は93年1月13日、体育館用具室で、巻いて立て掛けてあったマット内に児玉さんを逆さに入れ、窒息死させた。
事件を巡っては、山形家裁が7人のうち3人を無罪に当たる不処分とした。一方、仙台高裁は別の3人の抗告審で7人全員の関与を指摘した。〔共同〕