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パワスポ巡りがライフワークのトラベルライター矢口あやは選、東京のかわいい天神さん5選。

パワスポ巡りがライフワークのトラベルライター矢口あやは選、東京のかわいい天神さん5選。

日本各地を取材する神社好きライターの矢口あやはさんがお届けする学問の神様「天神さん」をめぐる東京さんぽのアイデア。授与品がかわいいのがポイントです!

御朱印ブームにのって、全国の神社をめぐりはじめて7年。稲荷神社に八幡神社、八坂神社、氷川神社…全国に同じ名前を持つ神社も数多く歩いてきました。そんななかで、最もわかりやすく、かつワンダーだと思うのが“天神さん”です。

天神社、天満宮、北野神社などと呼ばれるものはすべて同じ“天神さん”チームで、京都・北野天満宮や福岡・太宰府天満宮が有名です。学問の神・菅原道真公を祀っており、シンボルは「梅」と「なで牛」、そして門前の「お菓子」!

天神社のある古い町では、梅ヶ枝餅や天神菓子などがよく売られているため、天神ファンのお参りの記憶は甘いお菓子とセットになっていることがよくあります。

さらに、天神さんには知る人ぞ知る“隠れキャラ”も。全国の天神さんでは、毎年、初天神とよばれる日(1月25日)に「鷽(うそ)替え神事(※)」が行われ、木彫りの「鷽鳥」が授与されています。神社によっては瞬く間に売り切れてしまうので、この“鷽さん”に出会えたときはラッキーです。

前置きはこのくらいにして、「東京でおすすめの天神さん」を5つ、ご紹介しましょう。せっかくなので、初天神でにぎわう社と、各神社の鷽さんの様子も一緒にお楽しみください。

※木彫りの鷽を新しいものに取り(鳥)替えることで、これまでの悪いことを嘘にして吉運を招く神事のこと。


東京でおすすめの5つの天神さん

京都が北野なら、東京は亀戸だ!
亀戸天神社

東京の天神さんを語る上で絶対にはずせない神社。大きな鳥居をくぐって太鼓橋をのぼった瞬間、目の前に広がるのは藤棚と荘厳な社殿、さらに左手にはスカイツリー。早くも「きてよかった〜!」な景色が迎えてくれます。境内はとても広く、天神さんはもちろん、弁天さんや御嶽神社、花園社などもお参りできてホクホク。

ちなみに梅の木には一つ一つ品種の名前が幹にかけられています。いろんな品種の梅があって、まるでアイドルグループ。咲き始めたら“推し”を探すのも楽しそうですよ。帰りはぜひ「船橋屋」に寄って、名物の葛餅をどうぞ。

 

亀戸天神の鷽さんは、ちいさくてまんまるのキュートな姿。サイズが7つあって(多い!)、小さいものなら600円から手に入ります。つい多めに買って、大事な人へのお土産にしたくなる鷽さんです。

亀戸天神社

 

ミニチュアを作ったら人気が出そうな造り
五條天神社

上野の不忍池のほとりにたたずむ神社。創建はなんと1900年前。東夷征伐の為に日本武尊(やまとたけるのみこと)が上野を通った際、医薬の神さまの加護に感謝してここにお祀りしたのが最初とか。病気平癒のパワーがあるそうですよ。

見どころは、3Dプリンターでミニチュアを作ったら面白そうな境内。二段ベッド方式というか、広くて明るい「五條天神社」と、しっとりとして神秘的な「花園稲荷神社」が上下に合体しています。


お参りすると、それぞれ全くムードのちがう五條さんと花園さんが階段でつながっていて、のぼったり降りたりして異空間を往来できるのが魅力。

五條天神社の鷽さんは封筒に入っていてお姿は見えないので、えいやっと選びます。みんな頭に銀色の紙がはられているのですが、まれに金色の紙を戴く子も入っているんですって。星型のピノ、ならぬ金紙の鷽さん。いかにも真面目そうな神社がふいに見せるその遊び心、好きです。

五條天神社

フォトジェニックな江戸に迷い込む
湯島天満宮

もし時空がねじれるとしたら、こういう場所なんじゃないかと思わせる神社。まぎれもない令和の世なのに、薄いカーテンが重なるように、江戸時代の威勢のいい男女の出入りが景色に混じって見える気がする、ふしぎなスポットです。

晴れた日は参道にはお店が出ているので、1個150円のあげまんじゅうをいくつか買いこんで(1個じゃ終われないおいしさなのです)境内で食べて、道真公にご挨拶をして、撫で牛を撫でて、境内の中にある「笹塚稲荷神社」とスポーツの神さま・天之手力男神(あめのたぢからおのかみ)を祀った「戸隠神社」にも参拝。帰りはぜひお膝元にある御菓子司「つる瀬」で大福を買ってお土産に。

湯島天神の鷽さんはニョキっとしたスティックタイプの珍しいタイプ。ちょっとお神酒を飲んじゃったような、ポッと赤い顔がかわいい鷽さんです。

湯島天満宮

知る人ぞ知る絶景スポット
牛天神北野神社

ここは見晴らしが最高の天神さん! 後楽園駅のラクーアを背にして歩くこと10分、知るひとぞ知る小さな神社ですが、詣でると非日常が味わえます。鳥居の入り口が異界のはじまり。


薄暗い階段をひたすら登ります。登りきると、そこはもう神社の境内。結ばれたおみくじでモフモフになった白い牛が迎えてくれます。 

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鳥居の横には一対の狛犬。さらに鳥居の内側には撫で牛が一対。撫で牛のかわいいところは、みんなに撫でられて角がとれ、テロテロになっているところです。

社殿に向かって左には源頼朝が腰かけたという岩。頼朝さん、こんなところまで来ていたんだ〜。って実はここ、東征中の源頼朝が、菅原道真のお告げと加護に感謝して建てた神社なのです。その帰り道は絶景ですよ。突き抜けるような青空と、眼下に広がる町を見ながら階段をおります。

牛天神北野神社の鷽さんは木箱に入り、ふわふわの紙にくるまれていました。まるまると太って、いかにもラッキーをもたらしてくれそうなお姿です。

⇒ 牛天神北野神社

撫で牛さんも神狐さんもみんなで“じーっ”
平河天満宮

東京メトロ半蔵門駅から徒歩5分、平河天満宮を訪れてまず思うのは「牛、多っ!」。その数なんと5体。境内にはお稲荷さんの社もあって、鳥居をくぐった瞬間、「よう来たのお〜」と迎えてくれる撫で牛さんと神狐さんです。

ビル街の神社なんて風情がない…と思われがちですが、オフィスビルにかこまれているからこそ時刻によって日光をビルに遮られて青い影に覆われたり、ビルの窓に反射した光がゆらめいてまぶしかったり。水に浸かっているような時間もあれば、カラッと眩しい時間もある、変化に富んだ顔を見せてくれるのがオフィス街系神社のいいところ。ここもまさにそんな神社です。

平河天満宮の鷽さんは金の紙を頭にペッタンと貼られて、お目目が大きく、誰が見てもかわいいお顔。おせんべいと一緒に授与されました。今年一年、我が家で一緒に過ごす鷽さんです。

<写真・文>

矢口あやは

ライター・編集・イラストレーター。大阪府生まれ。雑誌やWEB、広告などを中心に活動。得意分野はトラベル、アウトドア、科学、歴史。2013年に自然の豊かなパワースポットに魅せられて巡りはじめ、2020年に一級船舶免許を取得。現在の夢は、離島にある神社&寺社を海から訪ね歩くこと。

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