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【告知】木田金次郎と昭和30年代 (2015年7月30日~11月3日、岩内)

2015年07月28日 01時01分01秒 | 展覧会等の予告
 1954年(昭和29年)、岩内大火が町の大半を焼き尽くし、住民の8割が家を失う中、木田金次郎もそれまで描いてきた膨大な作品がほぼすべて焼けてしまいました。
 しかし、木田は猛然と創作を再開するとともに、周囲の理解者がその画業を世に出そうとさまざまに尽力し、2度にわたる全国巡回展の開催につながったそうです。

 この特別展示「木田金次郎と昭和30年代」展のフライヤーで知ったのですが、「芸術新潮」1959年6月号で、戦後を代表する評論家のひとり針生一郎が個展評で「日本の美術界を象徴するに足る事件である」と評していたそうです。

 フライヤーには「木田にとっての昭和30年代を、岩内町の歩みや同時代の北海道美術の流れとともに眺めようとするものです。昭和となって90年を迎える今、半世紀を超えた時代の息吹を感じる機会となれば幸いです」とあります。

 展示される作品は、道立近代美術館所蔵の「菜の花畑の落日」「秋のモイワ」や、北海道銀行蔵の「積丹の漁港」など。
 北海道新聞社蔵の「馬三頭」は、これまで社外で展示されたことは、あまりないと思われます。
 昨秋、「北大の美術」展ではじめて一般公開され、道内美術ファンが「木田金次郎にこんなに大きな作品があったのか」といちように驚いた「海岸風景」(北海道大学附属図書館蔵)もあります。
 さらに、同時代の道内で健筆をふるい、早世した評論家なかがわ・つかさの文章を中心に「同時代の北海道美術」と題し、中居定雄、西村計雄、松島正幸、田中祥三、笹沼浩平、亀山良雄、小野州一、八木伸子の絵画も展示します。


 木田金次郎美術館は、道内における個人美術館の草分けです。
 年1度の特別展示はしっかりした方針のもとに企画されており、見に行きたいと思います。


2015年7月30日(木)~11月3日(火)午前10時~午後6時(入館は5時30分まで)、月曜休み
木田金次郎美術館(後志管内岩内町万代51-3)

一般500円、高校生200円、小中学生100円
(団体割引、リピーター割引、JAF会員割引あり)



中央バス「高速いわない号」で終点の岩内バスターミナル降車、すぐ。札幌駅前から2時間23分


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