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これまで、ブログの中でもいろいろな説を唱えてきましたが、これに対してコメント欄で、かなり挑発的なお言葉(笑)を頂いてしまいました。。
もしかして「ビッグサンキュー」の解釈って、みなさんこんな感じなんですか?みなさん、考えすぎです。もっとシンプルですよ! たった一言キーワードを出せば「あぁ!」と納得がいくぐらいの(綾辻行人ばりに)。
このあとのコメントで驚いたのは、一番の難関もクリアしているということ。
「泣き顔隠したふたり」も矛盾しません。「きみはぼくからもう自由なのさ」というくだりは、ちょっとホロリときます。
そこで、自分の記憶を探りながら「泣き顔隠したふたり」に合致するようなテーマを考えに考えて、柔軟な発想で叩きだした回答がこちらです。
「ビッグサンキュー」=「さようならドラえもん」のテーマソング説
「さようならドラえもん」は、いわゆる「ドラえもんの最終回」として語られることの多い回で、昨年公開された3DCG映画『STAND BY ME ドラえもん』で扱われている複数エピソードの一つでもあり、のび太とドラえもんの別れ(のび太の自立)が描かれます。
あらすじをWikipediaから引用します。
いつもの通り、ジャイアンにいじめられて帰ってきたのび太。ケンカに勝てる道具を貸してほしいとドラえもんに甘えるが、ドラえもんはいつになく冷たい調子でつっぱねる。様子がおかしいと思ったのび太がドラえもんを問い詰めると、ドラえもんは未来の世界に帰らなければならなくなったと告白する(理由は不明)。驚いたのび太はドラえもんにすがりつき泣きわめいて引き止めるが、ママとパパに「ドラちゃんにも都合があるのよ。わがままいわないで」、「人に頼ってばかりいてはいつまでも一人前になれない」と説得され、結局ドラえもんとの別れを受け入れる。
最後の夜、眠ることのできない二人は一緒に夜の散歩に出かけることにする。涙を見せまいとしたドラえもんと途中で別れたのび太は、夜中に寝ぼけて徘徊するジャイアンに出会い喧嘩になる。何度も何度も殴り倒されるが、のび太は自分がしっかりしないとドラえもんが安心して未来へ帰ることができないと必死でつかみかかり、ボロボロになりながらもついに最後にはジャイアンに「おれの負けだ」と言わせる。駆けつけたドラえもんに抱き起こされたのび太は、自分一人の力でケンカに勝ったことを誇る。ドラえもんに担がれながら家に帰る道々、のび太はドラえもんに、もう自分は大丈夫だから安心して未来へ帰って欲しいとうわごとのように繰り返す。肩を借すドラえもんは、大泣きしながらのび太のその言葉を聞いた。
勉強部屋へ戻ったのび太は、寝床につき、静かに眠り始める。寝床の横に座り、ドラえもんはのび太の寝顔を涙を流して見守っていたが、部屋に朝の陽光が射した時、ドラえもんの姿はもうそこにはなかった……。
この解釈が優れているのは、以下のように、他の解釈では難が出てきてしまう歌詞の意味がすんなり通り、涙すら誘うことです。
- 最難関である「泣き顔隠したふたり」という歌詞は、実際に漫画の中で双方が涙を見せまいとしている状況と重なる。
- 「きみはぼくからもう自由なのさ」という歌詞が、のび太がドラえもんにかける言葉として適切である
- 「しばらくは会えない」という歌詞も、未来に行くドラえもんが、のび太が成長するまで会えないという意味と捉えられる
また、上に挙げた3つもそうなっていますが、歌詞の視点が、ドラえもんとのび太を行き来することで、より「さようならドラえもん」という物語を味わえるようになっています。
全体的には、のび太がドラえもんに感謝する歌と捉えればいいのですが、「先へ行かなければならない」というあたりは、当然ドラえもん視点であり、また、ドラえもん側としても、のび太への感謝の思いがあることは、二人の涙から明らかです。
また、出だしの「一本道」という言葉ですが、ループや平行世界が当たり前のアニメやゲームの世界では、「後戻りできない人生」を強調するときに使われることの多い言葉です。とすると、「成長しない」通常のドラえもん世界から、一歩はみ出した、「成長することを前提とした」ドラえもんエピソードとしての、「さようならドラえもん」の特徴をよく表しているとも言えます。
ということで、歌詞の解釈としては満点に近い点数をたたき出した「さようならドラえもん」説ですが、一つだけ問題が生じるのは、なぜ田島貴男がドラえもんの歌を歌わなくてはならないのか?ということです。(笑)
しかし、ここにもひとつの解釈が成り立ちます。
ズバリ、秦基博への対抗心です。
秦基博といえば、オリジナル・ラブファンには、「夜をぶっとばせ」のカバー(2007年)で知られているかもしれません。また、2010年1月のフジテレビ「僕らの音楽」では、田島貴男と「接吻」を歌っています。
今回改めて検索すると、カバー当時のインタビューが出てきました。(思ったよりオリラブ熱が低い笑)
Excite: そして、今作の中で実は一番意外に思えたのが、3曲目の「夜をぶっとばせ」。これは1995年のオリジナル・ラヴのシングル曲ですが、これをカヴァーしようというのはどこから?
秦 基博: これは3月に行った、初めてのバンド編成でのライヴがきっかけだった んですが…。そのライブで1曲、カヴァーをやってみようという話になったんです。それ以前にも取材とかで「好きな曲は何ですか?」って聞かれた時に、この 「夜をぶっとばせ」を挙げてたんですよ。それで自然とこの曲が思い浮かんで…。そしたら偶然にも、ライヴのバンドメンバーでもある、上田禎さんと鹿島達也 さんがオリジナル・ラヴのツアー・メンバーだってことがわかって。僕自身も田島(貴男)さんのボーカルをカッコイイと思ってたし、「じゃあ、演ってみよう か」って話になりました。それでまずライヴで演って、その流れで今回のカップリングにも入れることになったんです。
Excite: 自分以外の人が作った曲を歌うなんて、それこそ軽音楽部に入ってたという高校時代以来じゃないですか?
秦 基博: そうですね。高校の時はカヴァーというよりコピーでしたけど(笑)。でもいつもは自分の言葉とメロディを歌うってことに意味があると思っているんですけど、これは単純にボーカリストとしてのチャレンジだったので、楽しんでやれたら良いという想いが強かったですね。
Excite: オリジナル・ラヴは昔から好きだったんですか?
秦 基博: 僕が最初に抱いてた印象は「朝日のあたる道」とかの頃のイメージが強かったんですけど、2〜3年前にベストアルバムを手に取って。その中で聴いた「夜をぶっとばせ」が鮮烈だったんですよね。声にも歌い方にも強さがあって、すごくカッコイイと思ったんです。
Excite: 今回のカヴァーはそこがきっかけだったんですね。
秦 基博: そうですね。
Excite: 自分がカヴァーした「夜をぶっとばせ」と田島さんの「夜をぶっとばせ」を聴き比べて…。
秦 基博: 聴き比べる、ですか…(苦笑)。
Excite: 例えば、比べたことによって改めて自分の特長に気付いた、とか。
秦 基博:なんですかねぇ。いやぁ、難しいなぁ…。あんまりその、“自分らしく歌う”というより、“どう歌えるか”ってことしか考えてなかったので。田島さんとは明らかに声も違うし、歌い方も違うし。田島さんのオリジナリティが強い分、逆に僕は自然に歌えた部分もあったと思います。
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さて、その秦基博ですが、冒頭でも挙げた映画『STAND BY ME ドラえもん』の主題歌として「ひまわりの約束」を提供しており、この曲は、うちの子どもの小学校の卒業式でも歌われるなど、昨年、世間的にはかなりヒットした曲となっています。
映画は、少し書いたように色々なエピソードを組み合わせた内容となっており、「さようならドラえもん」「帰ってきたドラえもん」は、中でも中心的な話となっていたようです。したがって、歌詞の内容も、それを意識したものとなっています。
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出だしはこちら。
どうして君が泣くの まだ僕も泣いていないのに
自分より 悲しむから つらいのがどっちか わからなくなるよ
サビはこちら。
そばにいること なにげないこの瞬間も 忘れはしないよ
旅立ちの日 手を振る時 笑顔でいられるように
ひまわりのような まっすぐなその優しさを 温もりを 全部
返したいけれど 君のことだから もう充分だよって きっと言うかな
こう見てみると、「ビッグサンキュー」とそっくりじゃないですか(笑)
おそらく、昨年8月の劇場公開のタイミングか、今年2月のDVD発売のタイミングで、この作品で「ドラ泣き」した田島は、何かのスイッチが入ってしまったのか、売れた楽曲「ひまわりの約束」に打ち勝つための新曲を、「さようならドラえもん」を下敷きにするという全く同じ方法論で作ってしまったのです。
…とか、色々とこじつけてみたんですけど、ドラえもんの映像と「ビッグサンキュー」はどうしてもしっくりきません。田島が間違ってしまったのか、自分が間違ってしまったのか…。
少なくとも、このアプローチでは「ひまわりの約束」には勝てない(笑)と思います。
ということで、これ以上にスッキリ来る解釈は無い(笑)ような気がしますが、是非、ご指導を仰ぎたいところです。(敗北宣言)
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