日本語の文法化研究にあたって : 概観と理論的課題(<特集>日本語における文法化・機能語化)

書誌事項

タイトル別名
  • Perspectives on Grammaticalization in Japanese : Survey and Theoretical Issues(<Special Issue>Grammaticalization in Japanese)
  • 日本語の文法化研究にあたって--概観と理論的課題
  • ニホンゴ ノ ブンポウカ ケンキュウ ニ アタッテ ガイカン ト リロンテキ カダイ

この論文をさがす

抄録

文法化の典型例を「自立性をもった語彙項目が付属語となって、文法機能をになうようになるケース」すなわち脱語彙化と規定し、その基準として、意味の抽象性、範列の成立、標示の義務性、形態素の拘束性、文法内での相互作用を挙げる。そして拡大したケースとして、元々自立形式でなくても、使用範囲が広がって機能の多様化が起きる多機能性の発達、および特定の語形に限定されない構文の発達を検討する。とりわけ後者においては、談話機能が重要な役割を果たす。文法化の道筋は多くの言語において共通性が見られる。その動機づけとして、具体的領域から抽象的領域への概念拡張としてのメタファー、および同一領域における焦点化のシフトとしてのメトニミーという二つのメカニズムを考察する。加えて、意味変化における一般的制約についてふれる。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ