今年1年を振り返って感じたプレスリリースの限界 | IT企業のPR

今年1年を振り返って感じたプレスリリースの限界

2009年もあと残りわずかとなりました。少しピンポイントな話題ですが、今年1年を振り返って個人的に感じたプレスリリースの限界について述べたいと思います。

記者向けに配信するプレスリリースは、PRの基本中の基本とも言えるツールとして活用されていますが、プレスリリースをベースに記事を書く記者が本当に少なくなってきたことを感じます。記者の立場にたって考えれば、これは当たり前のことだと思います。毎日数えきれないプレスリリースをメールで受け取っており、それらの中から価値のあるニュースをピックアップすることは至難の業です。

そのため、記者に配信しただけでは、読まれない可能性が大きいのでPR会社は記者に電話をしてフォローをするわけですが、プレスリリースの内容があきらかに多くの方々に必要とされている製品やサービス、業界全体の動向やトレンド、これまでにない技術など突出したものがなければ記事になることは極めて難しいです。記者としては、他社と差別化するうえでも、プレスリリースとして一律に各メディアに提供するニュースはよっぽど大きな話題でない限り、とりあげない傾向にあると思います。

今年の年末にもいくつかのメディア媒体が終了することが発表されていますが、今後さらにメディア媒体の統廃合などが進み、従来からのメディア媒体だけを対象にしたPR活動はますますパイが小さくなっていくことが予想されます。

つまり、メディア媒体のみを頼りとする従来のPR活動は限界を迎えつつあることを感じます。世の中の流れを考慮すれば当然のことです。日常生活でネットでの「検索」という行為で情報を探す人々が増えつつあり、いかにして関連用語で検索したときに自社に関する情報が表示されるようにするかが、より重要度を増しているように感じます。

ですので、記者だけを対象にするプレスリリースという考えではなくて、メディアや実際ターゲットとなるお客様に直接メッセージを伝える「ニュースリリース」という考えに基づいて、ニュースを発信していくことが、今後の企業のPR活動において基本的なスタンスになる必要があると思います。そういった意味で、News2Uリリースのようなサービスを使って幅広いソーシャルに向けたリリース配信のニーズが今後さらに高まるのではないかと思われます。

また、以前「意味のない形容詞はつかわない」という記事の中でも紹介しましたが、ニュースリリースは何らかの目的を達成するために出すもので、外資系企業のリリースによくある「革新的な」とか「先進的な」などの形容詞やCEOなどのあたりさわりのないコメントなどは極力無くして、お客様のことを思って書いたことが分かるような内容にすることが重要だと思います。

来年はこういった考えを理解するお客様が増えることを願っています。