全道展会員の水野スミ子さん(札幌)の率いるグループ展。
「絵画教室」という言葉から一般的にイメージされるようなものとはかけ離れた、爆発的なエネルギーのあふれた展覧会は、今年も健在でした。
いわゆる「絵画」の枠をはみ出した作品も目立ちます。
水野さんと赤石操さん、佐藤徳子さん、真田由美子さん、伝法常子さん、吉村千加子さんの6人の作品が、まる1日かけて会場のギャラリー大通美術館全室を埋め尽くしました。
前回まで出品していた大槻初恵さんの絵は今回見当たりませんでした。
今回も最も激しいエネルギーを感じさせたのは赤石さんの作品。大胆に糸を張り巡らせた作品も多いです。
画像は「連鎖A」で、平面と、毛糸でこしらえた床置きの立体13個がセットになっています。
平面のほうは、赤や黒が激しく交錯しています。障子紙ののりを貼る刷毛をつかっているそうです。
おなじく赤石さんの「連鎖B」は、モップの先に絵の具をつけて描いたとのこと。画材や道具に工夫を凝らすのも、水野教室の展覧会の魅力です。
真田さんは「遊地」と題する作品を何点も出しています。
このチョコレート色の作品には、粗い布や釘までが埋め込まれています。
指導者役の水野さんの作品。
以前は頭骨などを描いていた水野さんですが、近年はほとんど抽象的な画風になっています。
生徒たちの八方破りな作品に、反対に教えられているところもあるのではないでしょうか。
佐藤さんの作品。
こちらもいろいろなものをコラージュして、分厚く抵抗感のある画面をつくりだしています。
吉村さんの作品。支持体は紙ですが、弱さは全く感じられません。
筆者は最初、ブルーシートの上に描いたのかと思ったほどです。
大きさは200号を上回っています。
伝法さんは、紙を丸めた筒を、大量に支持体に貼り付けています。
しかも、それを転写した作品も、同時に展示しているのがおもしろいところです。
とにかく、既成の描法や画材にとらわれず型破りの作品を次々と作り、1日がかりで展示していく千展は、毎年すごい、のひとこと。
「きれいに描くのではない、エイヤっていうおもしろさってあるでしょ」
と水野さんも笑顔で話していました。
08年3月4日(火)-9日(日)10:00-19:00
ギャラリー大通美術館(中央区大通西5、地図A)
■第7回(07年)
■第6回(06年)
■第4回(04年、画像なし)
■第19回そらいろ展(07年8月)