現在の法曹養成制度に関する推進派と懐疑派の意見の違い。青学大・後藤昭先生ありがとうございました | 向原総合法律事務所/福岡の家電弁護士のブログ

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昨日アップしたブログ記事を、Facebookでもあげたところ、青山学院大学の後藤昭先生がコメントを付けてくださいました。私は以前からお名前を存じ上げており、大変光栄なことでした(ありがとうございます)。
後藤先生がコメントなさったあと、それに呼応するように、他の先生方からもいろいろなコメントをいただきました。
そのコメントをまとめたものを、以下に、画像データとして掲載させて頂いています。

この議論の中で浮き彫りになったのは、要するに、
①「法科大学院を中心とする現在の法曹養成制度」に対する賛否
と、
②「法科大学院を中心とする現在の法曹養成制度」推進派(後藤先生)と懐疑派のそれぞれの見解の相違点でした。
それを、Facebook上に出てきた推進派の文言を中心に、それに対応させる形で、懐疑派の考え方について、事後私が感じたことを付加しています。
    ↓コメントのまとめ画像


議論を終えての感想はというと
・「法科大学院を中心とする現在の法曹養成制度」推進派は、懐疑派が「『すべての』弁護士が『生活を保障されるべき』と考えている」という誤解をしていること
・推進派は、「競争」ということを錦の御旗にしているが、弁護士が否応なく抱えさせられている福祉分野やCSR的分野、法律扶助や国選弁護などの「反競争的分野」が存在することに対する認識が希薄であること
・推進派は、弁護士は「魅力」のある仕事だと考えているが、「職業」として「収益」を上げなくてはならないという点についての考察が不足している(趣味との違いがいまいち見えない)

とくに最後の点については、法曹を志願する人が激減する一方であることと無関係ではないと私は考えています。なぜ法曹を志願する人が激減しているかというと、要するに「投資に対するリターンが見込めない」からにほかならないのですが(その元凶たる要因が法科大学院にあるということは措くとして)、要するに、そこがケアされていないのに、「魅力がありますよ」などとだけ言われても、何の説得力もない、というか、的外れと言わざるをえないですし、リスク面についてあまりにもこうした「魅力」論で糊塗している姿を見ると、悪徳商法のやり方と何が違うのだろうという疑問なしとしえないところです。

さいごに:
私などのFacebookに、後藤先生のような高名な先生によるコメントが付くなどということは、光栄の極み以外のなにものでもございません。もし後藤先生がこのブログをご覧になられているのだとしたら、この場を借りてお礼申し上げます。ありがとうございます。