北海道美術ネット別館

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■第37回 美工展 (4月25日まで) 4月24日の詳報・3

2010年04月25日 10時27分35秒 | 展覧会の紹介-工芸、クラフト
承前

 道内でただひとつ、工芸のみの団体公募展(道展と全道展には工芸部門がある)。
 ことしも協会賞(最高賞)受賞作がなく、これで4年連続となった。
 出品作も近年はわずかながら減少傾向にあるのはさびしいが、若い世代が入賞、入選を果たしているのは頼もしい。


 新人賞は千葉将壽まさとしさん(富良野)の木工「浮き出し」(65×157×43センチ)。
 昨年の新人賞は、上川管内音威子府村のおといねっぷ美術工芸高校の在校生だったが、ことしは、同高校をこの春卒業したばかりの若者が受賞した。
 事務局長の羽賀隆さんによると、引き出しが浮かんで見えることからこの題をつけたのではないか…とのこと。

 その奥にあるのが、阿部吉伸さん(岩見沢、会員)の「おやこ(ぞう)」。丸みを帯びてかわいらしい作品。

 若手がもっとも目立つのは染色部門。
 落ち着いたベテランと、道都大出身者は、ちょっと見るだけで違いがわかる。
 折笠友美さん(札幌)と杉原友紀さん(北広島)が2点ずつ、いずれもシルクスクリーンで入選しており、ポップな作風だ。
 一方、道都大ではめずらしく型染めに挑戦しているのが、工藤ゆうさん(札幌)。「柔干し」が佳作賞となった。



 末尾のリンクでもわかるとおり、工藤さんは道都大に在学中。
 2カ月前の、大学主催の展覧会でも、やはり魚介類を干した情景を染色にしていたが、そのときに比べて大きな進歩で、びっくり。
 シャコ14匹が描かれていますが、色の抜けが素晴らしい上に、シャコの配置が単純な反復ではなく、微妙にずれているのがおもしろい。すだれをつるす4本の糸も微妙に異なっていて、芸が細かい!

 なお、すでに会員になっている、道都大出身の山田映莉さん(帯広)も、渋い型染め「もりのにおい」を出している。

この項続く


2010年4月21日(水)-25日(日)10:00-6:00(最終日-4:00)
札幌市民ギャラリー(中央区南2東6)

□美工展サイト http://www.geocities.jp/bikouten/

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第8回美工展会員展(2003年)

道都大学生作品展(2010年2月)
第46回道都大学中島ゼミ展「版と型をめぐって」(2009年12月)
=工藤さんが出品



・地下鉄東西線「バスセンター前」9番出口から330メートル、約5分
・ジェイアール北海道バス、夕鉄バス、中央バス「サッポロファクトリー前」から550メートル、約7分(ジェイアールバスと中央バスは、札幌駅から現金のみ100円)
・中央バス「豊平橋」から徒歩9分(月寒、清田、平岡方面から来る人は、これもひとつの手)


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