宮崎の強姦ビデオ事件で、加害者側弁護士の懲戒請求に1万2000人がソーシャル署名。
募集したビジネスパーソンをインタビュー
1月21日に毎日新聞にこのような記事が載りました。
宮崎強姦ビデオ:被害女性が公表した手記全文
http://mainichi.jp/feature/news/20150121mog00m040008000c.html
被害者の女性は、加害者側弁護士から、強姦被害時のビデオを返却することを条件に、示談に応じることを求められました。被害者の声をストレートに伝えた上、大手新聞が避けがちな「強姦」の2文字を見出しに使った毎日新聞の判断に拍手を送りたくなりました。
この事件を受けて、1月31日、性暴力の被害者を支援する人々が行動を起こしました。加害者側弁護士の懲戒請求と被害者が適正な裁判を受けられる仕組みを求めて、ソーシャル署名サイトchange.orgで、呼びかけを始めたのです。1週間足らずで1万2000人の署名が集まっています。
宮崎強姦ビデオ加害者側弁護士懲戒請求、ならびに被害者に対する不当な圧力をなくす仕組みの構築(http://goo.gl/VKOyq0)
署名の呼びかけ人である中野宏美さんに個別インタビューを行いました。事件を知って怒りを覚えた方。何ができるか分からずやきもきしている方、男女問わず、中野さんのお話を聞いてみてください。中野さんは「2047年までに性暴力をゼロにする」ことを目標にNPO法人しあわせなみだ(http://shiawasenamida.org/)代表として政策提言、啓蒙、市民向けの講演や被害者グループの支援を行っています。
あまりにひどい加害者側弁護士
Q: 最初に、この事件を知った時どう思いましたか。
中野: これはひどい、と思いました。あまりにひどくて信じられない、と。
私は「しあわせなみだ」の活動を通じて、被害者と接してきました。性暴力事件の裁判の被害者を支援したこともあります。
宮崎の事件と同じように、強姦された被害者が訴えても、加害者側弁護士から示談を求められる例は少なくありません。また、裁判で加害者側弁護士からひどい質問をされることも多いです。
そういう残念な現状と照らし合わせても、今回の事件はひどすぎた、と思います。被害者は加害者側弁護士から伝えられるまで、自分が被害に遭った様子を撮影した強姦ビデオの存在を知らなかった、と報道されています。それをもとに示談を申し込まれる、というのは、被害者から見ればほとんど脅迫と受け取れるのではないでしょうか。
Q: 性犯罪の裁判で、加害者側弁護士は被害者にどんな質問をするのでしょうか。
中野: 事件とは直接関係がない被害者の過去の経歴や、自分から加害者について行ったのではないか、等と言われることもあります。被害者に圧力をかけるような質問ですね。
そもそも性犯罪裁判は勝てない、と言われていて、被告(=加害者)が無罪になることが多いのです。今回の宮崎の事件も無罪になる可能性があります。
Q: どうしてでしょう…。
中野: これは日本の刑法の問題ですが、強姦罪の定義がとても狭いのです。暴行や脅迫で強要されていないと罪として認められない。その証拠を出すのが難しいのです。