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青空文庫はどうなる? 「TPP11」12月30日発効で日本の著作権は「死後70年」に変更が確定

 米国を除く環太平洋連携協定(TPP)に参加する11カ国の協定「TPP11」が12月30日に発効することが確定した。これにより日本の著作権は「死後70年」に変更されることになり、青空文庫の今後を心配する声が上がっている。

 TPP11は11カ国のうち6カ国目の国内手続きが終わった60日後に発効することから、10月31日に6カ国目であるオーストラリアが手続きを終えたことで、12月30日の発効が確定した。TPPは輸出入の関税引き下げなどさまざまなメリットがあるが、その一方で著作権の保護期間がこれまでの50年から70年へと延長されるため、作家の死後50年のタイミングで作品を公開してきた青空文庫は、新しい作家の追加を当面ストップせざるを得なくなる。青空文庫は今年7月に「これからの20年に向けて」と題し、「TPPのために明日すぐ当文庫が閉鎖されることや、保護期間延長によって青空文庫の活動そのものがなくなるといったことはありません」としつつも、「公開できるものと信じて作業を進めていたものの一部も、一時中断せざるを得ないでしょう」とし、当面はいまだ手がけられていないパブリックドメイン作品の電子化に取り組むことになるとの見方を示している。正式発効を迎えるタイミングで、何らかの新しいアナウンスもありそうだ。