【12月6日 AFP】スウェーデンの若手起業家の会社が企画した「メイド・イン・北朝鮮」のジーンズブランド「ノコ・ジーンズ(Noko Jeans)」の販売を予定していたストックホルム(Stockholm)の大手百貨店「PUB」が5日、発売直前に取り扱いをキャンセルした。

 同ジーンズの企画製造・販売元であるノコ・ジーンズのヤコブ・オールソン(Jakob Ohlsson)氏はAFPのメール取材に対し、「PUBがやっていることは、わが社のショーウィンドーや店舗に対する検閲そのもの。北朝鮮の『労働環境』を理由に、われわれの店を閉鎖し、ジーンズを押収してしまった」と、百貨店に対する非難をあらわにした。「最初通達されたときは冗談だと思ったけれど、店舗からすべてがきれいに撤去されてしまった」

 オールソン氏は仲間2人と3人で、2007年半ばに「世界に扉を閉ざしている北朝鮮と接触したい」という思いから、ノコ・ジーンズを立ち上げた。全員25歳以下でファッション・ビジネスの経験はまったくなかった。

 彼らのブランドは5日からストックホルム中心部にある流行に敏感な百貨店PUB内の入居ブティック「Aplace」で発売が予定されていた。

 Aplaceのカッレ・トールマー(Kalle Tollmar)CEOによると、百貨店側から販売中止を言い渡されたのは、当日の開店30分前。「百貨店幹部から直接電話がきて」PUBではノコ・ジーンズは売れないと言われた。「それは(百貨店の経営陣の)決定だということだった。PUBはこうした種類の『政治的議論』を行うにふさわしい場ではない、という説明だった」。ただしAplace自体は、オールソン氏らの「メイド・イン・北朝鮮」ジーンズの扱いをやめるつもりはなく、ほかの店舗で販売できるよう考えたいと述べた。

 ノコ・ジーンズの経営者3人は、このジーンズの販売にあたり北朝鮮を2度訪問したが、平壌(Pyongyang)周辺の工場の労働環境は、その前に現地視察した中国の工場よりもよかったと語っている。(c)AFP/Rita Devlin Marier

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