日本を代表する切り絵作家・蒼山日菜さんによる切り絵の実演が1日午前、浦添市のてだこホール市民交流室で開かれた。浦添市美術館で開催中の「息を呑(の)む繊細美 切り絵アート展」(琉球新報社主催、浦添市教育委員会共催)の関連イベント。蒼山さんの卓越した切り絵技術で、浮世絵が描かれた1枚の薄紙が立体感ある作品へと変貌した。集まった約300人の参加者からは感嘆の声が漏れた。
蒼山さんは独学で切り絵の技術を磨いたことを説明し「自分のペースでやってこれたからこそずっと楽しくできている」と述べた。長年滞在したフランスでの経験を挙げながら「美術教育を受けるなら、個性や感性を大切にする海外の美大を薦めたい」と話し、海外での研さんの必要性を説いた。
北中城村から母親の直美さん(61)と参加したグラフィックデザイナーの徳山優さん(23)はデザインの参考にしようと参加した。「細かな作業はまさに職人技で、心を奪われた。緻密に描かれたデザインがあってこそ、素晴らしい作品ができることも学んだ」と感心した様子。
直美さんは「在仏経験があるからこその話もたくさん聞けた。特に日本と海外の美術教育に関する違いがためになった」と感想を述べた。
切り絵アート展は16日まで開催している。【琉球新報電子版】