6歳未満の脳死2例目 家族が承諾、臓器提供へ
日本臓器移植ネットワークは23日、順天堂大病院(東京都文京区)に低酸素脳症で入院中の6歳未満の女児が、臓器移植法に基づき脳死と判定されたと発表した。6歳未満の脳死判定は2010年の改正移植法施行後2例目で、家族は臓器の提供を承諾した。
心臓は大阪大病院で10歳未満の男児、肺は京都大病院で10歳未満の男児、肝臓は京都大病院で10代女性、腎臓は東邦大医療センター大森病院で50代男性、もう片方の腎臓は東京女子医大病院で40代女性に24日午後、それぞれ移植される。
女児の両親は移植ネットを通じ「他の子どもの命を救えれば残された私たちにとって大きな慰め」とするコメントを公表した。女児の居住地は明らかにしていない。
移植ネットによると、主治医が女児が重い脳障害になっていると説明すると、家族から臓器提供の希望が伝えられ、移植コーディネーターが計3回、約4時間にわたり説明した。その後、21日に医師が脳死とされうる状態と診断し、虐待の疑いがないことを病院側が確認。児童相談所にも連絡した上で、両親が家族や親族計6人の総意として臓器提供を承諾した。
法改正で、本人が拒否していなければ家族の承諾による提供が認められ、15歳未満でも提供できるようになった。12年6月、富山大病院(富山市)に入院していた低酸素脳症の男児が脳死と判定されたのが1例目で、心臓などが移植された。〔共同〕