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いま、インターネット上で「正しい毛布の使い方」が話題となっている。それは、毛布は体の上にかけるものではない。最強の使い方は体の下に敷くというものだ。

告白したい。私はアレを11年前からやっている。話題になってから明かすとは、後だしジャンケンぴょんで恥ずかしい限りだが、捻じ曲げようのない真実なので言わせてほしい。「毛布を下に敷けば2月くらいまでは掛け布団1枚でイケる」。神に誓ってマジだ。

・本能がそうさせた「敷布団 → 毛布 → 私 → 掛け布団」

私が毛布を体の下に敷き始めたのは2003年冬のことである。当時、私は上海に住んでいた。上海は中国でも南方に分類される。日本で言うなら鹿児島から真っ直ぐ西に行くと上海である。

しかし、だがしかし!! 上海の冬はアホみたいに寒い! 何なら東京より寒い!! にも関わらず暖房設備は常に瀕死状態で、そこから出ているはずの暖気は体感不能なレベル。さらに部屋には隙間風も吹き込むというオマケつき。上海のベッドは氷のように冷たかった。

こんな凍てつくベッドに寝たら目ぇ醒めるわ!? 地獄の寒さに耐えかねて本能的に、それまでかぶっていた毛布をシーツの上に敷き始めたのがきっかけだった。

・毛布の順番を変えただけで劇的な変化

すると……何ということでしょう! ほぼノー暖房の部屋なのにベッドのなかがぬくぬくになったではありませんか!! その理由はわからなかったが、寝巻きを変えるより、布団を増やすより、何よりも効果があった。上海の冬に革命が起きたのだ。

・毛布が体の熱を受け止め羽根布団が保温する

私に起きた革命と、いま話題となった「正しい毛布の使い方」はよく似ている。話題の画像の元となったオムロンヘルスケアの「ねむりラボ」ではイラストを使って、羽根布団と毛布の使い方を説明している。なぜ毛布を体の下や掛け布団の上にかけると暖かいのか、その理由はこういうことらしい。

暖かい状態をつくるには、「羽毛布団を直接体に触れさせる」ことが不可欠なのです。羽毛は体温を感知して膨らみ、保温性を高める性質があります。羽毛布団と体の間に毛布があると、この効果を遮断してしまいます。

冬に入ってさらにあったか効果をパワーアップさせたいときは、毛布を「体の下に」敷くのがおすすめ。寝ている間に体から放出される熱を下から受け止めてくれるので、保温効果バッチリです。(引用ここまで)

とのこと。なるほど!! 体温を羽根布団がキャッチし閉じ込めることで布団の中が温かくなっているというわけか! だから掛け布団と体の間に毛布があると保温効果が薄いということらしい。

・綿布団でも効果を感じた

「ねむりラボ」では特に羽根布団について言及されているが、筆者の経験から言うと、綿布団でも毛布の使い方ひとつで十分変化を感じられる。中国の部屋に備え付けられていた謎布団は羽根でないことは確かだ。日本で綿の布団でも試しているが効果は十分だ。

・オムロンとTwitterユーザーに感謝したい

筆者は、寒さに耐えかねて試行錯誤しているうちに、「毛布を体の下に敷く」を編み出したわけだが、つい先日まではそんなことを主張すると “異端” 扱い。

しかし、オムロンの「ねむりラボ」とこの情報を拡散してくれたTwitterユーザーのおかげで、これからは声を大にして「毛布は体の下に敷くと最強!」と言えるようになった。ありがとう、本当にありがとう。

・なお、2月くらいまで布団1枚でいける

なお、中国から帰国後、私は大阪のマンションや東京の築80年の木造住宅でも毛布を体の下に敷いて冬を過ごしている。毛布さえ敷けば厚さ1センチあるかないかのハイパー煎餅布団でも2月くらいまでは掛け布団1枚でOKだ。もちろん、寝るときには暖房なんかつけない。

しかし2月となると掛け布団1枚ではさすがに寒い。だが、そこは布団の中に湯たんぽを仕込んでおけば問題ないだろう。下の毛布はぬくぬく、さらに暖かい空気を掛け布団が包み込んで布団のなかは常春(とこはる)である。天国が完成するのだ。

参考リンク:ねむりラボ
執筆:沢井メグ
Photo:Rocketnews24.

▼こちらが話題になった「正しい毛布の使い方」
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▼毛布は掛け布団の上にかけると暖かい
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▼最強を目指すなら、毛布を体の下に敷いて掛け布団を上からかけよう!
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▼なお筆者(沢井)の毛布は年季が入っている、完全に昭和だ
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