IDCフロンティアは2014年11月10日、PCサーバー機の専有型ホスティングサービス「ベアメタルサーバー」のラインアップを拡張し、既存モデル比でストレージI/O性能を50%向上させた新モデル「高速IO1000」を発表、同日提供を開始した。PCI Expressバス接続型のフラッシュストレージの現行製品「ioMemory PX600」(米Fusion-io製)を搭載する。

 ベアメタルサーバーは、ユーザー専有型のPCサーバーをIDCフロンティアのデータセンターに設置するホスティングサービスである。サーバー仮想化ソフトやクラウド運用ソフトを導入していない、“素の”PCサーバー機を利用できる。初期導入OSとしてCentOSが載る。仮想サーバー型のIaaSとは異なり、PCサーバーの設置や解除はIDCフロンティアのエンジニアが手動で実施する。

 ベアメタルサーバーのラインアップは、ストレージの性能に応じて、SASハードディスクを搭載した「スタンダードタイプ」と、PCI Express接続型フラッシュストレージを搭載した「高速ストレージタイプ」で構成する。新モデルの高速IO1000は、高速ストレージタイプのハイエンドモデルに当たり、既存の高速ストレージタイプと比べてI/O性能と容量がともに向上している。

フラッシュを現行製品のioMemory PXに載せ替え

 高速ストレージタイプの既存モデルが搭載するストレージは、米Fusion-ioの従来製品「ioDrive2」である(関連記事:TED、価格を3割下げたPCIe直結の半導体ストレージを出荷)。既存モデルの一つ「高速IO365」は「ioDrive2 365GB」(MLC、365Gバイト)を搭載しており、もう一つの既存モデル「高速IO785」は「ioDrive2 785GB」(MLC、785Gバイト)を搭載している。

 これに対して、新モデルの高速IO1000が搭載するストレージは、米Fusion-ioの現行製品「ioMemory PX600モデル1000」(MLC、1Tバイト)である(関連記事:フュージョンアイオーがPCIeフラッシュ後継の「ioMemory」、6.4TBも登場)。PX600モデル1000のI/O性能は、4Kバイトのランダム読み取りが19万6000 I/O毎秒、読み込み帯域幅は2.7Gバイト/秒であり、既存のioDrive2と比べて約50%高速化している。

 高速IO1000の価格(税別、以下同)は、メモリー容量に応じて4種類のメニューを用意した(いずれもCPUはXeon 8コア×2個)。メモリー32Gバイトの場合、月額15万8000円。メモリー64Gバイトの場合、月額16万3000円。メモリー128Gバイトの場合、月額17万3000円。メモリー192Gバイトの場合、月額18万3000円。

仮想サーバー基盤にもPX600搭載機を用意

 今回さらに、クラウド運用ソフトを使って仮想サーバーの操作ができるIaaS型の仮想サーバー基盤サービス「IDCFクラウド」のラインアップも拡張し、ベアメタルサーバーの新モデルである高速IO1000と同じストレージを搭載したPCサーバー機をハードウエア専有型で提供するプラン「HighIO 5XL128ハードウエア専有タイプ」を用意した。

 IDCFクラウドのハードウエア専有タイプは、ベアメタルサーバーとは異なり、PCサーバー上にサーバー仮想化ソフト(VMware ESXi)やクラウド運用ソフト(CloudStack)が組み込まれた仮想サーバー基盤として提供するものである。 新プランのPCサーバースペックは、CPUが40コア、メモリーが128Gバイト、ストレージとしてioMemory PX600モデル1000を搭載する。価格は1時間単位の従量料金制で、1時間当たり370円。月額上限料金は17万9300円。