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■亀井由利展 (2014年2月25日~3月2日、札幌)

2014年03月20日 22時50分49秒 | 展覧会の紹介-絵画、版画、イラスト
  
 札幌在住、亀井由利さんの、都心では久しぶりの個展。

 亀井さんといえば、モノクロームに浮かぶ人間や鳥を描いて心象風景をうかがわせる絵画というイメージがあったが、最近、赤や緑ちった鮮烈な色彩の抽象画を手がけるようになっている。

 今回は小品20点。

 「大地B」は、朱、ビリジヤン、赤紫、白、黒など、さまざまな色の飛沫が画面に躍る。全体的には斜めにタッチが感じられ、勢いがある。
 「010101」は、銀箔が表面を覆っている。

 


 一方で、従来のモノトーンに一見近い作品もある。
 上の画像、右側は「月影」。題のとおり、月のさやけし光がこぼれるような、静かで、豪華な世界だ。

 「街」は、ジェッソで凹凸をつけたあとに、白い絵の具をぶちまけている。
 



 「SAITOOKYAAAAH」
 なんちゅう題だと思ったら、「さいとうギャラリーで個展ができる、きゃああ」っていうくらいの意味だとか(笑)。

 ところで、「杜」という絵について亀井さんのお話を聞いていたら、このビリジャンと朱色で塗られた作品は、補色どうしの面積の比率を1:1に近づけるという実験なんだそうだ。
 赤と緑が補色であることは知っていたが、「補色の面積比を1対1にするのはよくない」という教えがあるのは、初めてきいた。
「抽象画でも、画面の中の空間は三つまで、と言われましたよ」

 なんだかな~。
 そういうきまりを守ったほうが、良い構図の絵を描けるのかもしれないが、そんなのはあくまで「手段」でしかなくて、大切なのは、絵にこめた精神なんじゃないだろうか。
 きまりを墨守しているかどうかで、美術作品のよしあしを判断するのは、むなしいことだと思う。

 亀井さんの絵は、精神みたいなものが感じられるからよいのだ。


2014年2月25日(火)~3月2日(日)午前10時30分~午後6時30分(最終日~午後5時)
さいとうギャラリー(中央区南1西3 ラ・ガレリア5階)

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